続・聖夜(後編)-10
生きていくことの中で、ほんとうにささやかな愛を拾いあげ、育み、苦しみ抜きながらも、その
愛に向かって、どこまでも歩き続けることこそが、神がほんとうに求める、ゆるぎのない、かけ
がえのない永遠の愛であることに気がついたような気がします。
それこそが、神が私に示された愛の意味なのだと、私は頬にあふれ出る涙とともに、神への感謝
の祈りを捧げました。
私の愛する娘よ…
どうか、父親として、私があなたに何もできなかったことを赦してください。
ただ、私は麗子さんを今でも愛し続けていることだけを、最後にあなたに伝えたいと思います…。
「…神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。
独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである… 」
(ヨハネによる福音書 第三章十六節より)