凌辱の果て-8
「三田村が興味ねぇなら俺にやらせろよ!」
焦れた辰巳がリモコンを奪い取ろうと手を延ばす。
「……あ…あかん……!」
三田村は思わず反射的にリモコンを強く握りしめていた。
「んだよ……エラそうなこと言ってたくせに、やっぱヤりてぇんじゃねぇか」
辰巳が小ばかにしたように鼻で笑う。
「ち………違う」
そう反論しながらも、心の奥底では明確な欲望が沸々と沸き上がってきている。
独り寝のベッドで、何度も思い描いたあいりの恥態が、今正に目の前にある。
自分は間違いなく、その肉体がずっと欲しくて欲しくてたまらなかったのだ―――。
たとえこの手に抱けなくとも、今ならば間接的にあいりの肉体をモノにすることが出来る。
自分がこのスイッチを入れることによって、目の前のあいりの肉体に強烈な刺激が伝わるのだと思うと、自然と息が荒くなってしまうのがわかった。
「ヤれよ……三田村。あの女はただのオモチャだ」
「……いや……お…俺は……」
「―――じれってーな!お前がやらないなら俺がやるって!」
イラついた辰巳が、三田村の手を捻り上げてリモコンを強引に奪おうとした。
「―――やめろやっ!」
『辰巳にやらせるくらいなら、
俺がやったほうがええんとちゃうんか――?
あいりちゃん自身、きっとそう望んでるやろ―――?
いや――――違うわ。
そうやなくて―――。
俺が………
俺自身が………。
やりたいねん……。
このリモコンで……
あいりちゃんの身体が
どんな反応するんか……確かめたいねん………』
はっきりとそう自覚した瞬間、三田村の指はリモコンのスイッチをオンにしていた。
「……あっ!……あぁっ……み…三田…村くぅ……んっ…」
ヴーンというくぐもった音が響き、あいりは椅子から腰が浮いてしまうほど激しく身をよじらせた。
これまで何度も川瀬に使われたことのあるバイブレーター。
そのスイッチを入れたのが三田村であるというだけで、これまで感じたことのないような強烈な快感があいりに襲い掛かっていた。
『あぁ……三田村くんが……このバイブを……』
「ハッハッハ!見ろよ辰巳!三田村もやはりただのオスだな!」
川瀬が狂ったようにけたたましい笑い声を上げた。
「……あっああっ……ぁ…ハァッ……あぁ……イ……み…三田村くん……三田村くん…」
三田村に玩具扱いされたというショックは、不思議なくらいなかった。
それよりも三田村の指先によってこの肉体に快感がもたらされているという事実が、あいりを燃え上がらせていた。