凌辱の果て-12
下からは辰巳が狂った犬のように陰部を舐め続けている。
押し寄せる快楽の波。
川瀬ならば、自分を確実に期待する以上の高みへと押し上げてくれることを、あいりは誰よりもよく知っているのだ。
「……藤本……」
川瀬が呻くようにあいりの名を呼ぶ。
「……三田村が見たがってるぜ……」
「……み…三田村くん……」
その一言がなんとか持ちこたえていたあいりの心をぐらりと大きく揺るがした。
確かにそうかもしれない。
現に三田村は、自らの意思で遠隔バイブを操作したのだ。
「……さあ…言え……どうされたい？」
ぬるついた亀頭が、ぬぷりぬぷりとめり込んでは引き抜かれる。
その度に直腸が刺激を欲して激しくうねるのがわかった。
「ハァッハァッ……あぁ……もう……い…挿れて……下さい」
自分の中で何かがガラガラと音を立てて壊れていく。
「ククク……もっとハッキリ言えよ……何をどこに挿れられたい？」
辰巳の舌がクリトリスを弄り始めた。
ちゅくちゅくと雑に吸われるだけで腰が抜けそうなほどの快感が込み上げる。
「……ハアッ…ああっ……ああっ……しゅ…主任の……あぁっ……ダメ……」
「俺の……何が欲しい？」
「しゅ……主任の…ハァッ………」
今まで何度も川瀬にこうした淫語を言わされてきたが、三田村が聞いているというだけで今までにない強烈な羞恥心が込み上げていた。
「お…おち…おちん○んを……挿れ…挿れて……」
「ククッ……どこだ？どこに欲しい？」
「ハァッ……やぁっ……もう……もう……許して下さい……」
「ダメだ……言わなきゃ挿れないぜ」
「あっ……あぁっ…ん……欲し……お…お…お尻に…い……挿れて……」
「ククク……もう一度最初から言ってみろっ」
あいりの淫語に興奮したのか、クリトリスを舐め回す辰巳の舌が一段と激しさを増す。
「ああああっ！やああぁっ……あぁっああぁっ……あああっ……」
狂気のような屈辱と快楽――。
その泥沼に飲み込まれていくのが自分でもはっきりと自覚できた。
「……ああっ……しゅ…主任の……お○んちんを……あ…あたしの……お…お尻の穴に……い…挿れて……下さいっ……」
「……淫乱……」
口汚い罵りとは裏腹に、初めて男を受け入れるあいりのアヌスを気遣うように、優しく侵入してくる川瀬。
バイブレーターとは違うみっしりとした肉の塊が、じわじわと直腸を満たしていく。
「…はあぁっ……っ……くうっ……」
想像以上の強烈な圧迫感と痛みで、全身に脂汗がにじんだ。
「……っ……もっと力を抜け」
「……はぁっ…あぁっ……」
「……大丈夫だ。じきに良くなる………」
どこと無く優しさを感じるようなその言葉に、自分でも驚くほど気持ちが緩んだ。
「あぁ……ハァッ…ハァッ…しゅ…主任……」
川瀬が「大丈夫」だと言うのならば、きっとそうなのだろうと思う。
川瀬の口から発せられた「じきに良くなる」という言葉には、あいりにとってはかなり説得力がある。
どれほど屈辱感を与えられた時でも、全てが終わったあとあいりの肉体に残るのは、いつも必ず「絶対的な快楽」だけなのだ。
自分の中に、川瀬に対する奇妙な信頼感があることに今更ながら気付く。
「川瀬はあいりに特別な感情を抱いている」
―――三田村はそう言っていたが、それは本当なのだろうか。
自分は、実はこの人に愛されているのだろうか。
「……主任…っ…」
切ないような苦しさが込み上げ、か細い声で名前を呼ぶと、それに答えるように川瀬が腰を小刻みに揺らし始めた。