あばかれる闇-7
衣服を着たまま四つん這いにされ、両側から別々の男に乳房を揉みくちゃにされる女。
そのスカートは大きく捲り上げられ、剥き出しの尻には更にもう一人の男がしがみついて、今まさにずんぐりと黒光りする肉棒を女陰に突き入れようとしている。
目の前のあまりにも過激な映像につい見入ってしまいそうになりながらも、とりあえず画面を閉じようとマウスを手に取った。
しかしその時―――脳がぐらりと揺さぶられるような強烈な違和感が三田村を襲った。
女の着衣、そして画面に映っている部屋の内装に見覚えがあるような気がしたのだ。
「……ちょ…待て……」
血流が急激に勢いを増し、心臓がドッドッといやな音を立て始める。
突然、画面の中の一人の男が大声を上げた。
『ホラあいりちゃん!―――誰か当ててみ!』
三田村の全身に戦慄が走った。
「これ……」
カメラのアングルが変わって、画面全体に坂田を受け入れているあいりの全身がはっきりと映し出された。
そして両側から衣服の下に手を差し入れ、あいりの身体を激しくまさぐっているのは、上野と―――
川瀬昭彦だった。
目かくしをされたまま床に這いつくばって、なすすべなく犯されるあいり。
『ホラ……早く答えろよ!イく前に言わなきゃまた罰ゲームだぞ!』
上野が嬉しそうに歓声を上げる。
これがあの坂田会の日、三田村が帰った後に行われた「罰ゲーム」だったのだ。
『み……三田村くん……』
不意にあいりが自分の名を呼んだ。
理不尽な凌辱に堪えながら、搾り出すように言ったその声に、自分でも動揺するほど胸がぎゅうっと苦しくなった。
『……三田村…くん―――』
坂田のペニスを激しく突き入れられながら、喘ぎ声と荒い息遣いの合間に自分を呼ぶか細い声。
あいりは坂田を自分だと思っているのだ。
実際、あの時帰らなければ、こうしているのは自分だったかもしれない。
――今すぐ画面の中に入って、坂田と入れ代わり、あいりをこの手で抱きたい。
狂おしいほどの衝動が三田村の欲望を揺さぶっていた。
「あいりちゃん……」
いつの間にか熱く硬く勃起してしまった肉棒を、スラックスの上から、ぐっと握りしめた。
『あいりちゃんはよっぽど三田村が好きなんだねぇ――』
画面の中の上野が面白そうにあいりを冷やかす。
その途端、あいりの身体をまさぐっている川瀬の表情が何かにとりつかれたように険しく変貌したように見えた。
「……川瀬主任……」
一瞬、何か大事な答えが見えかけたような気がしたが――思考を遮るように背後から肩をぐいっとつかまれた。
「―――よう」
驚いて振り向くと、そこには思いもよらない人物が立っていた。
「……辰巳……お前……こんなとこで……何してんねん……」
咄嗟に電源がついたままのノートパソコンを素早く閉じる。
『この映像をこの男には見られたくない―――』
反射的にそう思った。