肉体の取引 前編-10
「あっ!やああっ…」
その絶妙なタッチに、腰が抜けてしまいそうなほどの快感が全身を駆け巡る。
「慶子さん…………とってもいやらしいですよ」
「……あっ…いやっ…いやぁっ…」
「……三田村に教えてやりたいですね……あなたがこんなに感度のいい淫乱だってことを」
「……や……やめて……ああっ」
素早く動く川瀬の指先。
まるで恐ろしい魔術にかかったように、その指に触れられた部分がだらしなく蕩けていく。
嫌なはずなのに、今与えられている快楽のもっと先を…もっと先を…と期待している自分がいる。
「おぉ。めっちゃ溢れてきたで。いやらしい汁がどんどん滲み出てくるわ」
高橋はつまんだ刺身を割れ目の中にまでぐいぐいと突っ込んでくる。
ズブズブとヴァギナに出し挿れされる生温い刺身。
もはやその行為の異常さまでもが、慶子の快楽に拍車をかけていた。
こんな変態的な行為に感じてしまっている自分が恥ずかしい。
しかし、恥ずかしいからこそ肉体はますます敏感になり、また大量の愛蜜を吐き出してしまうのだ。
「……はあぁっ……恥ずか…しいっ……そんな……挿れ…たら……ああっ」
「あぁ………その顔たまらんな……この娘気にいったわ」
高橋はついに濡れた割れ目に直接口をつけて舐め始めた。
「あっ……んああぁっ……」
生暖かいぬるりとした感触。
見ず知らずの中年男の舌が、割れ目の中に侵入してくる。
「………あっ……ああっ……ああっ……ああっ……」
三田村にされるのさえ恥ずかしいと感じていたはずのクリニングスを、慶子は何故かほとんど抵抗もせずに受け入れてしまっていた。
もう完全に露出してしまった乳房や太腿にも高橋と川瀬の手が這い回る。
身体中を一度に刺激するたくさんの指と舌――――。
全身のあらゆる性感帯に与えられる様々な刺激に、慶子の子宮の奥は切ないほど疼き初めていた。
「………あ…あかん……や…いやっ……い…ああっ……」
いつしか慶子は男たちの手の動きに合わせて微かな喘ぎ声を漏らし始めていた。
「……はぁっ……んんっ……あぁっ………んぁぁ……」
既に痺れは無くなり、手足は自由に動くことが出来るようになっていたが、慶子は今、抵抗すること自体を忘れてしまうほど快楽にのまれていた。
自分への優しさゆえに、いつも淡泊でワンパターンになりがちだった三田村のセックス。
そんな単純な性行為しか知らない慶子にとって、二人の熟達した中年男から全身に与えられる淫靡な指技の嵐は、想像を絶するほどの強烈な快楽であった。