慶子-8
「……むっちゃエロい顔やん……セクハラされて……嫌やのに感じてるん……?」
不意打ちのように、いきなり下半身に手が延びてきた。
脚を大きくM字に広げられ、べったり濡れてしまったクロッチを、長い指が上下になぞっていく。
「あっ……ああっ……!」
信じられないほどの快感に、身体がビクリと跳ね上がった。
「いつもより濡れてるやん」
クロッチの脇をこじ開けてぬるりと侵入してくる何本もの指。
はっきりと自覚できるほどに勃起したクリトリスの先端を、ぬるついた指の先でくるりと撫でられると、堪らず腰が浮いてしまう。
「慶子って……こういうの実は結構好きなんちゃう……?」
嘲るような三田村の言葉が胸にささる。
「……や…やめて……そんなこと…な……ああっ」
「―――ふうん」
口答えする慶子に制裁を与えるように、三田村は攻撃の手を強めていく。
「あ……いやあっ……あっ……あっ……ああぁっ……あ……あかん……嫌……あああっ……あああああっ!!」
包皮を剥いたクリトリスの先端を小刻みに弾く三田村の指。
いつもの三田村らしくない意地悪な愛撫なのに、身体は悲しいくらい反応してしまう。
「――――イけや」
耳元で囁かれた色っぽい声にとどめをさされるように、慶子はビクビク身体を震わせながら呆気なく達してしまった。
ベッドの上にぐったりと横たわる慶子。
目隠しをされて、嫌がりながらも達してしまったその姿を見て、三田村の胸はズキリと痛んだ。
これは単なる八つ当たりだ。
自分は今、慶子を抱きたいのではない。
慶子の身体を使って、不完全燃焼しているあいりへの欲望を排出したいだけなのだ。
『今日来れば、あいりちゃんとヤれるかもしれない』
社員食堂で坂田にそう言われた瞬間から、自分は心のどこかできっとそれを期待していたのだ。
毎晩のように独りのベッド思い描いていたあいりの恥態。
その禁断の甘い果実を目の前で取り上げられたことで、三田村は己の歪んだ欲望を、よりはっきりと自覚してしまったのだった。
慶子のことは愛しているし、一生守ってやりたいとも思っている。
それでも―――今夜だけは、どうしてもあいりを思いながら果てたかった。
「目隠し…とっていい……?」
小さな声で慶子が聞く。
「あかん……そのままや……」
坂田のマンションで見た無防備なあいりの姿を、意識的に目の前の慶子に重ね合わせる。
たったそれだけのことで、下半身が急激に熱くなるのがわかった。
「……俺とヤりたいし呼び出したんやろ?……好きなようにさせろや」
下着を太腿までずらして、脚を持ち上げ、達したばかりの慶子の割れ目を指でこじあけた。
「あっ……んんっ……」
まだしこっている肉粒をぬるぬるした指先でこね回すと、慶子の身体はまるでスイッチを入れた人形のようにびくびくと反応する。
「あっ……あぁっ…あぁっ……ん……あぁっ……」
あいりも今頃三人の男たちに攻められながら、こんなふうに乱れているのだろうか。
全身をまさぐられ、穴という穴を肉棒で掻き回されながら……。