罰ゲーム 後編-7
ゆっくりと男が腰を動かし始める。
坂田や上野に犯された時よりも、自分の身体が明らかに反応し、高ぶっているのが自覚出来た。
「……ハッ…ハァッ…ああっ……ん……んんっ……」
熱い肉の塊があいりの内側を何度も往復する度に、悩ましいような快感が全身に満ち満ちていく。
身体の相性がいいからといって、今後の二人の関係が何か変化するわけではない。
しかし、今自分自身の肉体が感じとっているこの一体感は、あいりにとって何物にも変え難い大切な愛の証だった。
自分でも戸惑う程のスピードで、どんどん高みへと押し上げられていく肉体。
繰り返されるピストン運動のひと突きごとに、快感のレベルが大きく跳ね上がっていく。
「あぁっ……三田村くんっ…三田村くん……」
あいりは、自分に覆いかぶさっている大きな胸板にしがみつきながら、無意識のうちに何度も三田村の名を叫んでいた。
愛液が押し出されるブチュッブチュッ……という卑猥な音が部屋中に響き渡り、男の動きもそれに煽られるようにスピードを上げていく。
「……ああっ!……やぁっ…ああん……だ……だめぇ……ああ……………あぁ……っ……」
身体を強く突き上げられながら、あいりがぽろぽろと涙を流す。
「あ……や…やぁっ……ま…待って…っ……」
このゲームが終わってしまえばもう二度と三田村に抱かれることはないと思う。
出来ればまだイきたくない――。
一秒でも長く……
繋がっていたい―――。
切実な思いが込み上げて、涙が止まらなかった。
しかし男は激しい動きを止めようとはせず、あいりを容赦なく攻めこんでくる。
「………三田村…くん……やあぁっ……三田村く……ん」
譫言のように、三田村の名を繰り返し呼ぶあいり。
その口を封じようとするように、突然唇が重なってきた。
「……あ……んっ……!」
一瞬自分が何をされたのか理解出来ず、頭が真っ白になる。
……三田村くんに
キス………されてる……?
その事実は何故かセックスそのものよりも嬉しくて、あいりは三田村をもっと強く感じとろうと夢中で唇を重ね直した。
その隙間をこじ開けて侵入し、唇の内側や歯茎を貪るように舐め上げる貪欲な男の舌。
まるで脳の内側をドロドロに溶かしてしまうような、恐ろしく淫靡で巧みなキス―――。
そして―――
覚えのある………
煙草の匂い――――。
『………待って………』
突然砂を噛んだような違和感があいりを襲う。
嘘………
そんなはずはない………。
だけど………
この…香りは……
ゆっくりと唇が解放され、アイマスクが外された。