今夜、七星で Yuusuke’s Time <COUNT3>-2
ぼんやりと覚醒する頭にニコチンが欲しくなる。腕をゆっくりと抜き取り、固まった
肩をぐるりと回す。むずった様子もなく、すやすやと寝続ける椿さん。
ベッドから降り、下着とデニムパンツを履いて煙草をくわえる。深く紫煙を吸って吐く。見下ろした椿さんは幼子の様だ。
「……やりすぎた、か」
自分でもガキだと思う。樹里さんとのことを椿さんで発散するなんて。未消化な、ぽっかりと空いた心の隙間を埋めるように、椿さんの体を貪った。
何度もダメだと懇願するのも聞かず、ただ肉欲に溺れるように体を繋げた。
後ろから、前から、上になって下になって。喘ぎ声が泣き声になり、終には悲鳴を上げ、それすらも掠れて涙を流すだけになった姿を見て、俺は漸く我に帰った。
何度も繋がった入口は紅く崩れ、尿を漏らしたように辺りは濡れていた。ベッドから転げ落ちた幾つもの使用済みのスキン。嵐の過ぎ去った室内はうんざりするほど汚くて滑稽だ。
灰皿を持ちながらバルコニーまで移動する。カーテンの隙間からバルコニーを眺めると、チラチラと雪が降り積もっていて。
「寒かったからな…」
結露する窓、分厚い雲、静かに降る雪。携帯の時計を見ると11時を回っていた。
いつもよりずいぶん遅い起床。明け方まで激しかった行為に苦笑する。
本日は日曜。静かな朝に似合いの風景だ。
エアコンを強めにかけていたせいか喉が痛い。床に脱ぎ散らかしたものを籠へと纏め入れ、備え付けのクローゼットから出した濃紺のセーターを着る。
煙草をくわえながらヤカンで湯を沸かし、何を作ろうか冷蔵庫を覗き込む。