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誰も書かなかった中国人農業研修生の話
【ノンフィクション その他小説】

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小さな万里の長城と珍しい羊の話-1

羊の牧場をあとにした。
4人の研修生は、車の向かう方向から、また研修生の働く街へ、帰ると思っていた。
張は結構気が利く、女好きのしんたろの隣には、必ず白永を座らせた。
この街は、白永の姉が働いている街とは気づいていない様子である。
しんたろの車の向かう方角は、白永の姉が働く、畑が広がる農村を指していた。
北海道の村は広い、姉が働く農村はかなりの広さ、手掛かりは無い、地名だけである。
少し自信があった、見つけることに時間は必要ないだろうと・・
思う事がある、夕方のこの時間、研修生はすべて自転車を与えられる、農道を車で飛ばし、自転車が沢山ある家が、研修生の宿舎であるはず、10分位農道を探したとき、その家はあった。
張が車から降りでその家が、白永の姉が住む農家の家と確認をする。
白永は何が起きたかを、ようやく知った。
車から白永が飛び降りる、嬉しそうな笑顔に張の白永への説明は、必要ではなかった。
玄関で出迎える白永の姉、抱き合って白永を迎えた。
張が、研修生の仲間に私の事を伝えたらしい。
研修生が住まいとする家に招き入れられることとなる。
中国での日本語の研修期間に、張と彼らは顔見知りとなっていた様子である。
研修生全員が私を大歓迎してくれた、何度も頭を下げる者、私のカメラを見つけ、使い方を聞く者。
白永と姉は二階で少しの時間を過ごし、白永の姉が私の手を握りながら、何度々も深く頭を下げた。
中国茶で歓迎され、お菓子もふるまわれた、
墓から持ってきた様な盆菓子も、その時はいい味だった。
美人の白永の姉、もちろん好みのタイプ、姉が美人だったことに、しんたろは、二重の喜びを感じた不謹慎な男であった。

土産も持たず来た事に気づき、農村の酒屋まで車で走る、焼酎4Lとコーラなどを買い求め、土産とした。

白永と姉だけに限らず、他の研修生三人も久し振りで会う仲間たちとの時間、研修生全員の嬉しそうな顔が、また嬉しかった。


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