羞恥の電車通勤-10
「あああっ!ああっ!」
あまりの快感になりふりかまわず悲鳴をあげるあいり。
ヴィ――ンという明らかに不自然な異音が辺りに響き渡り、ビチビチと粘液を弾くような卑猥な音が股間から漏れ始めた。
「……すげぇ女……」
「……た…たまんねぇ……」
車内はあいりを中心とした一角だけ異様な雰囲気になっている。
全身を這う無数の手の動きと、クリトリスを直撃する激しい振動で、あいりは一気に絶頂へと導かれようとしていた。
何人もの男女が絡み合っているような荒々しい吐息が車内に響き渡る。
「……ああっ……ああっ!……き…気持ちい…しゅ…主任…も…ダメ…い…イくうっ!!」
何人もの見知らぬ男たちの手によって、電車の中で半裸で縛られたまま、あいりは達してしまった。
電車が目的の駅に到着し、あいりはブラウスの前を掻き合わせながらフラフラとホームに降り立った。
車内で挿入に及ぶ者はいなかったが、ブラウスとスカートにはあらゆる方向から白濁液がかけられていた。
もう少し乗車時間が長ければ、車内で輪姦されていたかもしれない。
「……自分でもよくわかっただろう」
不意に背後から聞き覚えのある声がした。
振り向くと、川瀬がニヤつきながら立っていた。
手にはローターのリモコンを持っている。
「―――お前はただのメスだ」
見下したような冷たい視線があいりの胸を突く。
「―――バックルームに来い」
それだけ言い残すと、川瀬はボロボロになったあいりに背を向けてさっさと歩きだした。
―――私はこの人の玩具。
彼は私を愛してはいないし
私も彼を愛することはないだろう―――。
だけど私はきっと
この人から逃れることは出来ない。
こうしてただ坂道を転げ落ちていく。
そしてその行きつく先はきっと――――救いようのない闇。
あいりはフラフラと歩き出した。
早く行かなければ―――。
バックルームで川瀬が待っている―――。
END