陥落-8
「それでアンアンよがってイかされたってわけか………」
川瀬は乳房をゆるゆるとした手つきで揉み回しながら、尚もねちっこい口調であいりを責めたてる。
「……ち…ちが…イ…イって……ません」
「……なるほどな……」
川瀬の性技を知ってしまったあいりは、中森のテクで満足するような身体ではなくなっているのだ。
……それなのに何故この女は俺に堕ちない――――
川瀬は揉んでいた乳房をぐいっときつく捻り、あいりの屹立した乳首にむしゃぶりついた。
「あっ!はあああん!」
さんざん焦らされて感度が最高に高まっていたあいりは、思わず歓喜の悲鳴をあげる。
川瀬は乳首の先端に当てた舌先を小刻みに振動させながら、乳輪全体を激しく吸い上げた。
その巧みな舌の動きで、全身の神経が乳首に集まっていくような、激しい快感の嵐があいりを飲み込んでいく。
「中森と……セックスしたのか……」
舌で乳首を攻めながらも川瀬は追求の手を緩めない。
「……あ…あっ…ああっ……す…すみません……」
何故謝るのか自分でもわからなかった。自分は一体川瀬の何なのか―――あいりの思考は混乱している。
「中森と……俺と……どっちのセックスがイイ?……」
「……ハァ…ハァ…ああっ…」
あいりは川瀬の愛撫にただ喘ぐばかりで答えようとはしない。
川瀬は激しい苛立ちを感じていた。
「――言えよ…早く……」
『――俺は…嫉妬に狂ったガキか――』
あいりが堕ちないが故に己の中に芽生えた思いもよらぬ激しい独占欲―――。
その初めての感覚に、川瀬は自分自身の怒りをコントロールすることができそうになかった。