三田村真吾の憂鬱-5
興奮で硬く尖ったその肉芽をぬるぬると指先でこねまわし、強制的に女を快楽の淵へと追い込んでいく。
「……ハァ…ハァ…ココ……好きなんやろ……」
「……やめてぇ…ああっ……ああっ……はっ…恐い…ああっ……」
次々に与えられる未知なる激しい愛撫に、慶子の小さな身体は初めての絶頂を向かえようとしていた。
逃げても逃げても迫ってくる快感の波。
下半身に襲い掛かる強烈な刺激の連続に身体が小刻みに痙攣している。
経験したことのない自分自身の肉体の変化に怯える慶子。
「し…真ちゃんっ…ああっ……イヤッ……ああっ……!」
「……ハァ…ハァ…気持ちええんか……ハァ…イって……」
「イヤァッ…怖い…あっ…あっ…ハアッ…ダメぇっ…ああああっ!!」
絶頂に達した慶子の膣が急激に三田村を締め付けた。
「……うっ……ああっ……イクっ……」
三田村は小さく叫び、慶子の背中にたぎる精を放出した。
恍惚とした余韻が二人を包みこんでいた。
慶子はいつもと違う荒々しいセックスに戸惑いながらも、初めて経験したアクメに深い満足を感じたようだった。
愛する恋人を初めて絶頂に導くことが出来たにもかかわらず、三田村の心には後悔と後ろめたさが渦巻いていた。
大切に守り慈しんできた美しい花を、欲望にまかせて泥まみれの靴で踏みにじってしまった―――。
今慶子を抱いたばかりなのに、まるで浮気をしたかのようなモヤモヤした罪悪感で胸が痛む。
「……ゴメン……急にあんな乱暴にして……」
三田村はベッドに起き直って、慶子に背中を向けたまま、取り返しのつかない失敗をしてしまった子供のように謝った。
「ううん……あんな真ちゃん初めてやったから…うち…嬉しかったんよ」
うつぶせに横になったまま、慶子が恥ずかしそうに言った。
三田村の全てを受け入れようとする温かい気持ちがひしひしと伝わってくる。
その優しさが今の三田村には逆にこたえた。
「ほんまに……ゴメン……」
三田村はサイドテーブルのティッシュを引っ張りだしながら言った。
「……一応……外に出したし……」
「わかってる…でももう別に赤ちゃん出来てもええんよ?」
「……おん……でもやっぱりちゃんと結婚してからのほうがええやろ」
慶子の背中に放った己の欲望の後始末をしながら、三田村はやっと少し微笑むことが出来た。