三田村真吾の憂鬱-4
『……あかん……』
突然三田村の中で、かつて経験したことがないほどの激しい性衝動が起こった。
血流が全て下腹部に集まってしまったかのように腰から下が急激に熱くなり、全身が痺れるような感覚に襲われる。
突然湧きあがった自分の中の激しい欲望を、咄嗟にコントロールすることができない。
頭が割れるように痛くなり、理性が音をたててあっけなく崩れ去った。
肉体が、狂ったようにより強い刺激と快楽を求めて激しく咆哮している。
「……うつぶせ……なってくれへん……?
「……えっ……?」
「ええから………」
三田村は目の前で小さな喘ぎ声を漏らしている女を乱暴に抱き起こすと、肩をつかんで後ろを向かせた。
「…あっ…し…真ちゃん……」
女が何か言おうとしたが、三田村の耳にはもう何も聞こえていなかった。
三田村は女をベッドの上に這いつくばらせて、強引に尻を突き出させた。
目の前の濡れそぼった陰裂が、何かに怯えるようにヒクヒク震えている。
いつもと違う様子に恐怖を感じたのか、逃げようとする女の腰を三田村は乱暴に引き戻した。
「……動くなや……」
低い声で呻くように言いながら、三田村は無我夢中で怒張した己自身を震える身体にぶち込んだ。
「ううっ……!」
「…あっ……いやぁっ……」
もの凄い快感が全身を貫く。
その快感を全て貪りつくそうとするように、夢中で腰を打ち付けていく三田村。
慶子と知り合う以前の女性経験でも、三田村はこんな乱暴なセックスは一度もしたことがない。
男は女を守り慈しむものだと思っていたし、実際そのことに幸せを感じていたはずだった。
しかし今三田村は、誰よりも慈しむべき女をベッドの上にはいつくばらせ、ケダモノのような屈辱的な格好で後ろから犯している。
そしてその事実にかつて経験したことのないような激しい快感を感じているのだ。
自分の中に眠っていた陰魔が、突然叩き起こされて暴れ狂っているようだった。
いつもとは違う角度で絡みついてくる女の膣壁。
突き上げる度にペニスを締め上げるその動きは、いつもより敏感で激しいような気がする。
「……あ…ああっ…ダメ……こ…壊れちゃうぅ……」
女がか細い悲鳴をあげる。
「……ハァ…ハァ……」
三田村は女の背中に密着するように身体を重ね、腰を使い続けながら片手で女芯をまさぐった。