続・聖夜(前編)-6
坊主頭の男の掌が、乳房からしだいに下腹部へとゆっくりと這っていく。私の腰のあたりに卑猥
な手をまわし、くねらせた私の腰から尻肌を撫で回し、臀部の割れ目をまさぐるように撫でる。
湿り気を帯びた卑猥な手は、肌に吸いつくように尻肌を揉みしだき、やがて股間の付け根に触れ
ながら、陰毛の表面をすっと撫で上げた。男は、まるで発情した獣のような荒い息を私の陰毛に
吹きかける。
「あそこの毛もいい生え具合だぜ…それに、むっとするくらい、いい匂いのするマンコをして
いる女だぜ…」
男は、私の陰毛の毛先に淫靡に指を搦めながら言った。
そして、男の鼻翼が微かに蠢いたような気がしたとき、彼の唇が私の淫唇の淵をなぞり始めた。
肉の重ね目を舌先でえぐるように啄み、その生あたたかい舌の体温が、少しずつ私の中を充た
していく。
男の唾液を含んだ舌は、秘裂の溝をなぞりながら、私の敏感な陰豆へ微妙な刺激を与えていた。
丸めたショーツを咥えさせられた私は、ねっとりとした唾液を唇の端から滲みださせ、声になら
ない喘ぎを息苦しく呑み込んでいった。
男の淫猥な舌使いとともに、私の息づかいが、胸の鼓動の高まりとともにしだいに荒くなり、
ハアハアという絶え間ない吐息が咽喉の深奥に吸い込まれていく。
まるで悪夢を見ているような気がした…。
しかし、私を弄んでいるのがどんな男たちであろうと、私は、心とからだの中のわだかまりから
遠く逃れ、磨ぎ澄ましたような疼きに、どこまでも呪縛される快感に浸っていた気がする。
しだいに火照るからだとともに、自分の乳首のふくらみや陰部の潤みを感じながら、肉の渇きが
ひたひたと潤みに浸されていく。かさかさに乾いた陰部の中の鱗が、毒々しい光彩を放ちながら
ゆっくりと溶けだし、闇の先に煌めく星空に抱かれた私は、眩暈のするような快感に充たされよ
うとしていた。
枯れ果て、渇ききった空洞の底が、ゆったりとした湧き水で充たされ始めたとき、私には男たち
の姿さえ見えなかった。ただ静寂に包まれた星空から、輝きをもった雫がふりこぼれながら、
私を包み込んでいたような気がする。
そのとき、私は何を考えていたのだろうか…。
数人の男たちにからだを弄ばれながらも、私は夜空に散りばめられた星だけを見つめていた。
そして、遠く懐かしい情欲のきらびやかな酩酊に、私はしっかりと抱かれていたのだ。