「ミチをはずれた恋」-3
朝だ。目が覚めた。変だな。いつも目覚まし時計より先に
ジュン君の熱いキスがわたしを埋め尽くすのに。
ジュン君の身体に触れて気がついた。
体温が低い。呼吸がない。
ガラスが割れた。
わたしは叫んだ。
口からも耳からも目からも声が溢れ出た。
この世の終わりが突然やってきた。。
こんなことってある?
最愛の・・誰よりも誰よりも愛しているジュン君が
わたしのそばからいなくなるなんて
そんなことが許される?
何かの間違い。これは何かの間違い。
きっと夢。
なにをすればいいのかわからない。
そうだトモに電話しよう。
「どうしよう。トモ。ジュン君が冷たくなっていく。
息もないの。119番かな。助けて、早く。来て。」
トモはすぐに来てくれた。
そして、わたし身体を抱いてくれた。
わたしは泣き崩れた。
そして、ゆっくりとそう・・
落ち着きを取り戻すのを感じた。
お別れの日が来たのね。わたしとジュン君との。
「トモ、わかったよ。
希望がなくなるって気持ち。
本当にそうだね。
もう、これ以上愛せる人にめぐり合うことなんか絶対にない。
ジュン君以上の人なんて世界中のどこにだっているはずがない。」
トモはわたしの両肩をゆさぶって言った。
「そんなことないよ。まあ子。目を覚まして。
次の犬、買えばいいだけだよ。」