灯る光-7
うちの部署の課長の宮崎さんと石田さん、理恵と十時くん。
職場から少し離れた宮崎さんのオススメの居酒屋さんに行く。
さすがにまだ月曜日。
飲みすぎないようにスローペース。
でもやっぱり嬉しくてついつい飲んじゃう。
石田さんと宮崎さんと理恵が話し込んだ時、私は十時くんと仕事の話をしてた。
十時くんが急に話題を変えた。
「冴木。この間の金曜日、あの後男と会ってただろ?」
「え、何で?」
いきなり言われてびっくり。
「いや、あの後、冴木が帰った後、しばらくして佐藤が事務室に帰ってきたんだ。そしたらお前が駅で男の車に乗るとこ見たって。で、俺に聞いてきたんだよ。別れたんじゃないのかって。だからまだ付き合う気はないみたいだって言っといた。」
十時くんがニヤリと笑う。
だから佐藤くんは金曜日に十時くんと話してた事も知ってたんだ。
「で、佐藤と何かあったわけ?」
「え?!何で??」
十時くんが笑いながら言う。
「冴木、わかりやす過ぎ。いや、金曜日の佐藤のあの焦り具合と、今日の余裕と、お前の佐藤に対する態度と。告られたんだろうなと思って。佐藤がお前のこと見てたのは知ってたからな。」
まさにその通り。
十時くんはするどい。
「ま、上手くやりな。佐藤にいきなり言われて戸惑ってんだろ??そう簡単に前の男を忘れるなんて難しいしな。長ければ長いほどな。」
「そうだね。まだ完全に忘れたわけじゃないし、むしろふとした時にに思い出して切なくなるしね。どんなに時間が経っても忘れることはない気がする。好き嫌い関係なくね。十時くんもまだ好きなの?」
「まぁな。けど、最後の方はほぼ会ってなかったしな。他に男がいるのも気づいてたし。逆に別れを切り出されるのを待ってたのもあるな。でも別れればそれはそれで寂しいもんだよ。」
「恋愛って難しいよね。」
ため息が出るてん
恋愛は昔から苦手。
ずっと好きだった人とは両思いにはなれなかった。
むしろ好きって気づくのが遅い。
彼女がいるってわかったときに、あ、好きだったのかも。って気づく。
聡のときも、ずっと友達以外意識することなんてなかった。
言われて過ごしてるうちに好きになってた。
その前の彼氏も、今まで付き合ってた人は皆そうだった。
いつも受け身…。