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光の道
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灯る光-6

「十時くん、ありがと。直前に緊張を解してくれたお陰だよ!」

「いや、良かったわー。これから変更なければ俺も一緒だからな。今日の飲み会、18時からだっけ?それに俺も誘われたし、多分メンバーじゃないかとふんでるんだけど?」

隣に座りながら十時くんが言う。

「うん、18時から。メンバーに十時くんがいたらいいなぁ…そしたら私も心強いしね。」

「頼ってくれたまえ!ちなみに彼氏候補になったかね?」

十時くんがふざける。


「いや、ないね。」

「相変わらずそこはドライだねー。」


冗談を言いあえる仲。
そんな同期が近くにいるのはホントにありがたい。

作業をしながらつくづく思う。
友達も仕事仲間も、周りの人にはホントに恵まれていると。


終礼の時間が近づいたため、十時くんと作業室を出る。
2人で歩いて事務室に向かい、ドアの前まで来たところで、ちょうど佐藤くんが前方から事務室に向かってきていたのが見えた。


「冴木先輩おめでとうございます。よかったですね!」

目が合うと、子犬の様に目を輝かせて近づいて来た。

「うん、ありがとう。朝から準備もありがとう。」

そう私が言うと、十時くんが言った。

「佐藤、お前朝から冴木のとこだったんかい。カバンはあるのに姿が見えないから何してんのかと思ってたら。」

「大事な会議ですから、俺も手伝いに行ってたんですよ。」

「ふーん。ま、勉強しな。」

十時くんがニヤリと笑い、佐藤くんに返す。
その顔が何か企んでいるようで、いやらしく見える。


佐藤くんが何か言おうとした時、事務室側からドアが開いた。


「お、主役がおった!終礼始まるよ。お前たちは早く今日の分報告せんか!」

ドアを開けたのは十時くんと佐藤くんの上司。
私には優しかったのに、2人には怖い。
よく見れば2人ともカバンと書類を持ったまま。
出先から戻ってそのまま話し込んでしまったのだろう。
思わず笑ってしまう。

「冴木、お前なあ。」

笑う私を見て十時くんが大袈裟にため息をついて事務室に入る。
私も続いて入り、デスクにつく。

終礼では今日のプレゼンの報告をした。
仕事後、数人で小さな祝賀会に行った。



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