今のままで...-2
「あまり目立たない子だったよなぁ?」
「うん....」
「でも....」
「でも?」
「顔は和哉のタイプだな!」
「そうなの?」
「ああ....でも性格は....ちょっと違う気が...」
「和哉のタイプって?」
「和哉の好きな.....」
そう直輝が言いかけた時
「俺がどうかした?」
私の後ろで声がしたので振り返ると和哉が立っていた。
「今お前の話しをしてたんだよ!」
直輝が笑顔で話しかけた。
「あれっ?一人?」
すると和哉の後ろから美咲が顔出して、
「こんにちは」
照れくさそうに笑った。
「俺の話しって...また悪口か?」
和哉が直輝の隣に座ろうとすると、美咲が和哉が着ているTシャツの袖口を引っ張って、
「ちょっと和哉さん...二人に悪いよぉ...」
和哉を引き留めようとした。
「えっ?」
和哉も直輝もそして私も美咲の顔を見つめた。
「えっ?何?どうしたの?」
美咲は不思議そうな顔をした。
「北原さん勘違いしないで!私と直輝はただの幼なじみ!そうよね!」
「そう..そう..」
和哉も直輝も同時に頷いた。
「いくら私でも好きな人の前でこんなに食べないって!でしょう?」
「それはそうだけど....」
美咲はまだ少し納得出来ないようであった。
「普通は好きじゃ無くても男の前でこんなに食べる女の子もいないんだけどね!」
直輝が茶化すように言った。
「普通はね!!」
「もしかして...俺は男扱いされて無いとか.....」
「えっ?今気付いたの?」
「もしかしたらそうなのかなぁって、なんとなくそう思ってたんだけど...」
「大正解!」
私は大笑いした後
「北原さんわかっくれた?とにかく座って!」
美咲に話しかけた。
「あっ...ありがとう...」
美咲は私の隣に座った。和哉も直輝の隣に座った。
「ネェ木下君!なんて北原さんに告ったの?」
「えっ?」
和哉が不思議そうな顔をした。
「木下君が去年から好きだった子って、北原さんなんでしょ?」
私は出来るだけ明るく話しかけた。
「どうしたんだ理彩?俺の事木下君なんて!」
「なに言ってるのよ!彼女である北原さんが、和哉さんって呼んでるのに、私が呼び捨てに出来る訳がないでしょう?ネェ北原さん?」
私は美咲の顔を見た。
「別に....私は....」
美咲は困ったような顔をしていた。私はすぐに和哉の顔を見て、
「話しを逸らさないでよ!なんて告ったの?」
和哉は困ったような顔をして、
「実は....」
「なんて告ったの?」
「告ったの俺じゃ....」
和哉は恥ずかしそうに頭をかいていた。
「えっ?」
直輝と私は同時に声を出した。
「私のほうから....」
美咲が小さい声で話した。
「本当に?」
美咲に確認すると、
「うん....」
美咲は恥ずかしそうに頷いた。