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今のままで...
【青春 恋愛小説】

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今のままで...-9

理彩と一緒に踊る事になった時、なんて告ろうかと悩んでいた。そんな時理彩があの時の台詞を言ってくれた。俺はあの時の台詞をそのまま返して理彩の反応を待った。
理彩から返って来た答えはあの時と全く違っていて俺が望んでいるものだった。俺は理彩を内側の輪に誘い思いきって「好き」って言ってみた....理彩から「好き」っていう言葉は聞けなかったけど...結果は予想外で美咲の言った通りになった。美咲のほうを見ると、美咲もこっちを見ていた。
「ア・リ・ガ・ト・ウ」
俺は声を出さずに唇を動かした。
「オ・メ・デ・ト・ウ」
美咲の唇がそう動いたような気がした。
そして美咲は俺達に微笑んでくれた....そんな気がした....
「ありがとう...北原ちゃん....」
俺は思わず声に出してしまった。
「えっ?何か言った?」
理彩が笑顔で俺を見ていた。
「北原ちゃんに感謝しないと....」
「........」
理彩は何も言わず俺を見ていた。
「さっき北原ちゃんに背中を押してもらわなければ、理彩にもう一度告る勇気なんて持てなかったから....」
(そんな事無いよ!私は何もしていないよ!その勇気は直輝君が自分で振り絞ったモノだよ!)
美咲のそんな声が聞こえたような気がした....

理彩は黙って俺を見ていてくれる....

今...俺の隣で微笑んでいる理彩は...誰よりも可愛く....そして....誰よりも綺麗に見えた....


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