消えた光とかすかな光-1
長い長い道が見えたていた。
ずっとずっと光が見えていた。
2人で歩いてけると思っていた道に、
2人の寄り添った影があると思っていた。
今、その道は2本に別れ、
影はそれぞれの道に進み、
1人はもう、歩き出してしまった。
違う影と共に。
そう、1人を残して。
「頭痛い…目も重い…」
窓から太陽の光が差し込んでいる。
身体が痛くて目が覚めた。
体を起こそうとするが、うまく頭が働かない。
頭は痛いし、目があまり開かない。
とりあえず寝返りをうってみる。
ー!?
私の部屋にはあるはずのない固い壁がある。
飛び起きると、目が回り、吐き気が襲ってきた。
そのまま深呼吸をしてあたりを見回す。
「ちょっと待って…」
思わず声に出してしまった。
だって、見覚えのない部屋にいる。
しかも床。
近くには私が使っていたであろう毛布とタオルケット、枕がある。
服は何故かジャージ。
鞄は枕のそばにある。
ここはドコ??
私は…冴木 由梨。
27歳。
O型。
記憶に問題…なし??
「お、由梨、やっとお目覚めだな??」
急に背後から呼ばれ振り返ると、そこにはドアから顔を出した大学の友人がいた。
「あれ?大輔くん??」
彼は里見大輔くん。
でも何で大輔くんが居るんだっけ??
あれ??
私、昨日なにして…
あ…そっか…
「あれ?じゃねーよ。どーせ今忘れてたんだろ。しかもまた泣きそうな顔しやがって。思い出したんかい。」
そう。
思い出した。