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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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金色の双眸-16

「っっがはっ!」

 背中を踏みつけられ肺の空気が一瞬無くなる。

「……君がキャラだね?」

 空気を肺に入れようと咳き込むキャラに、神経を逆撫でるような声がかけられた瞬間、バシンと電流が流れて、意識が消失した。


 アースが学校に着いたのはそれから1時間程後の事だった。

 学校の惨状を目にした途端、小さい頃の記憶がフラッシュバックのように甦る。

 燃え上がる町、血の海に沈む母親……

「!!!」

 口を押さえたアースの目が金色に変わり、体から同じ色の陽炎が吹き出す。

「アース!!」

 出会った時と同じ光景を見たベルリアは、アースが暴走する前に腕を掴んで引き寄せた。
 陽炎に触れた事で体に衝撃が走り、一瞬ベルリアは顔をしかめた……が、そこは我慢してアースの頭を抱え込んで落ち着くように背中を叩く。

「大丈夫だ。まだ、間に合う。手遅れじゃない」

 子供に言い聞かすような声音で耳元に囁く。
 アースは自分の胃のあたりの服を鷲掴み、荒くなった呼吸を整えようとする。

「……あぁ……わりぃ…大丈夫だ……」

 落ち着いてきたアースの体から陽炎は消えるが、目の色は金のままだった。。
 アースはベルリアの腕を一度強く握ると体を離し、自分の足でしっかりと立つ。
 自身が落ち着くように、一度大きく深呼吸してベルリアに目を向けて何があったか訊ねる。

 アースから通信があってすぐキャラを捜したが間に合わずさらわれてしまった事、その時の不意打ちのような攻撃に防御が足りず、リンが重傷を負った事をベルリアは伝える。

「他の生徒や講師は軽傷ですんだが……すまない……」

 ベルリアの言葉にアースは首を振る。

「親父のせいじゃねぇよ……奴の狙いは……俺だ」

 ギリギリと握り締めた手から血が流れ落ちた。

「アース……」

 ため息をついたベルリアはアースの手をとる。

「リンがちょっと意識を取り戻した時に奴の外見を教えてくれた。後、周辺に聞き込みしたところ、隣国セブに逃げ込んだと思われる。きっとアジトに連れて行ったんだろう」

 ベルリアはアースの手をさすりながら話す。
 握り締めていた手から徐々に力が抜けていき、アースの肩からも余計な力が抜ける。

「……わかった……つうか、キモい」

 男に手を撫でさすられたアースは嫌な顔をして、手を振り払う。


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