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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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金色の双眸-12

「徹夜で作ったのよ〜通信機♪気をつけてね」

 力作の通信機を耳につけたアースの頬にリンが口づける。

「そりゃあ、お疲れさん」

 アースはお礼にとリンの頬にキスを返すとキャラの元へ来た。

「?」

 何か用でもあるのかと首を傾げるキャラの目の前に立つと、片手で頬を包みたっぷりと口づける。
 人前で何をするのか、と慌てて離れるキャラに微笑んだアースは軽く手を握った。

「行ってくる」

「……行ってらっしゃい」

 真っ赤になっているキャラの手を離して背を向けた後、軽く振り向いて指を指す。

「浮気すんなよ」

「あんたが言うな」

 女癖が悪いクセに、と言い返すキャラに声をあげて笑うと、口笛を吹いてからかう騎士団員達の元へ歩いて行った。

「節操の無い子ねぇ」

「親の顔が見たいな」

 育ての親はあんたらだろう?キャラは横に並んで見送るベルリアとリンを軽く睨む。
 視線に気づいた2人はそうだっけ?と肩をすくめて目線をそらした。
 騎士団に視線を戻したキャラは、中にエンの姿を見つける。

「あれ?エンさんも行くんですか?」

「ああ、アビィが居ると移動に便利だからね」

 通常の移動なら馬で十分だが、急行するときなどはアビィに乗ると速い。
 そのかわり、かなり魔力を消費するのだが……
 キャラは一緒に行けていいなぁ…とエンを羨ましく思った。


 瞬く間に半月が過ぎ、スネークの一味を捕らえたりもしたのだが、肝心のアジトや首謀者がわからない。

「そろそろ向こうも焦っておるだろうな」

「それで行動してくれりゃこっちの思うツボなんスけどね」

 スオウの言葉にアースはため息をついて答える。
 覇気のない返事にスオウは片眉をあげた。

「団長〜そっとしといてあげてくださいよぉ、アースってばキャラに会えなくて元気ないんですからぁ〜」

 笑いながら言うエンを、手に顎を乗せたアースは睨みつける。

「天下のアース隊長が色ボケとはの……」

「うっせぇ」

 仕事中は立場上敬語を使うがこの話は仕事とは関係ないのでタメ口。


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