店長日記 1-1
俺、55歳。 この頃、飯を食べると腹が出ちゃって、体を動かすのも大変。
相撲取りの偉大さがわかります。 普通のオヤジがあんなに太ったら、少し動いただけで
心臓麻痺ですよ。
俺の若いころ、肥満体の流行作家が吉原の高級ソ−プで 自分の娘ぐらいの、美人ちゃんとイチヤ、イチヤしていて、 急に心臓麻痺になって、死んだって週刊誌に載っていたな。
テレビでは、外出先で、急死て、報道されていたよ。 俺なんか人生に思い残すこと無いから、綺麗なおねいさんの、 ムチムチした体のなかで死にたいな。
都落ちして、名古屋に来て、5、6年。
今の名刺の肩書きは、名駅物産のレストラン部、統括店長。
名古屋の地元の人は、JRの名古屋駅を名駅て呼ぶんです。
国鉄時代からの慣習みたいで。
俺の勤めている会社は、名古屋駅の近くにある、従業員100人ぐら いの不動産屋。
先代の創業社長がXXX物産みたいに発展することを願って、この 社名をつけたそうです。
レストランなんて、名乗ると、大きな店舗のイメ−ジを持つと 思いますが個人食堂が少し広くなっただけです。
名古屋駅の周辺に5店、レストランを出しています。
店長さんは、パ−トのお母さん。
うちの店は、母の味を強調しているから。
俺は、お母さんが休みの日や、忙しい時間帯に手伝いに行く係り。
名古屋は、見栄を張る土地柄だから、肩書きだけは、すごくって。
今は、俺、安アパ−ト療養中です。 肝臓が悪いみたいです。
前に、居酒屋の雇われ店長をしていて、バカおやじたちと
酒ばっかり飲んでいたから。
どうせ死ぬんなら、栄えにある、高級ソ−プのおねいちゃんの手のなかで
死にたいな。
前に一度、遊びに行ったときは、可愛いおねいちゃんが付いてくれって。