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冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2
【ファンタジー 官能小説】

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スタートの時-4

「サダニ殿…お判りいただいたのら、貞ちゃんの清らかな魂を解放なさい」
お菊ちゃんも薙刀を構えたまま凛と言い放ってる。

僕もそのとおーりって感じコクコク頷いてる。
至って真剣な表情でだよ。

「すまぬが…私にその力はない」
なんか本当にすまなそうなサダニさん。
けど…どー言う事!?
「だが…貞代を連れ戻すと言う我が使命は放棄しよう」
いー感じの話!?

だね。
鵬蓮さんや貞ちゃん、そしてお菊ちゃんも心なしか緊張を解いてるもの。


「小僧…貞代を頼むぞ、しっかり守ってやってくれ」
なんだ…本当は結構いー人じゃないの?
って感じのサダニさんの言葉。
よく判らない部分もあるけど。
取り敢えずはいい方に話はいっているみたい。

だから力強く何度も頷く僕。

「おまえに出会えて良かったぞ…小僧」
そう言うと…。
雨の中の陽炎。
揺らぐ煙みたいに。
チリチリとその影の端から黒く立ち登り、消えてゆくサダニさんの影。
どんどん小さく…。
薄くなっていく。
そして灰色の雨のスクリーンの中…サダニさんの黒い影姿は完全に消失した。

「サ…ダニ…さん」
それを見つめる鵬蓮さん、お菊ちゃん、そして貞ちゃん。
みんな…どんな思いで見つめてたんだろ。
僕は何となく遣り切れない思いでサダニさんを見送ったんだ。


本堂に車座に座った僕たち。
みんな神妙な面持ちで正座してる。
もちろん僕も釣られるように正座してるよ。

「みなさま…御苦労様でした」
僕たちを優しげに見渡して。
静かにその口を開く鵬蓮さん。

そー言えば。
「鵬蓮さん、大丈夫だったの?」
心配げに鵬蓮さんを見つめ返す。

その切れ長の瞳にちょっとイタズラっぽい笑みを浮かべてコクッと頷く鵬蓮さん。
サダニさんとの戦いが終わった後の立ち振舞いも。
これと言って何の支障もなかったみたいだからなぁ。
何にしても無事で良かった。

でも…貞ちゃんの魂を解放出来ないってどー言う事だろう。
それに貞ちゃんもお菊ちゃんも心なしか、まだ神妙な面持ちだ。
「あ…あの」
やっぱ判んない事は鵬蓮さんに聞くしかないよね。

「あれは…サダニシュウジの影、暗黒霊本体ではありません」
静かにしゃべり出す鵬蓮さん。
まるで僕の心を読んだみたい。

「えぇぇっ!?そんなぁ!」
って思いっきり驚く僕。
ってか…驚いているは僕だけ?

「暗黒霊本体なら、あんなに簡単に決着がつく訳がございません」
ってクールに続ける鵬蓮さん。


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