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『縛られた女』
【SM 官能小説】

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『縛られた女』-6

6.衝撃的な「可能性」

十日ほど経った日曜日。
真由は卒業した中学校の美術室を訪れ、佐々木正哉に迎えられていた。

「やあ、潮田、よく来たね。
でも、日曜日に2人きりでここで会いたいなんていうから、ちょっとびっくりしたなあ」

「先生、ごめんなさい。
とても深刻で、どうしても先生と2人きりでお話したいことあって、それに関連して見てほしいものと見せてほしいものとそれにお願いしたいことがあるので、それには、ここが一番いいと思ったんです」

「なるほど、ここは教室で日曜日には誰も来ないし、3階なので人目につくこともないから、卒業生と元担任の教師とが深刻な話をじっくりするには、打ってつけの場所だね。
それにしても今日の用件は、ずいぶん盛り沢山な内容のようだね」
佐々木は苦笑いしながら、そういった。

「はい、そうなんです、先生。
実は、ママが書き置きを遺していたのを、見つけたんです」
「ほう、それはよかった。
君や君のお父さんに、何か書き遺していたんだね?」
佐々木は、微笑んでいった。

「いいえ、それが…、私やパパ宛てじゃなかったんです」
「えっ、それじゃあ、誰宛だったの?」
佐々木は、怪訝な顔になった。

「誰宛かは、書いてありませんでした。
これが、その書き置きをプリントしたものです」
真由はやや強張った表情でそういい、USBメモリーに入っていた書き置きをプリントした紙を、持ってきたバッグから取り出して佐々木に渡した。

「…」
佐々木は紙を受け取り、緊張した面持ちでそれを読んだ。
そして読み終えると、大きくひとつうなずいた。
「すまない!潮田。
もうわかっているんだろうけれど、この書き置きは僕宛のものだ。
そして、君の大事なお母さんを、自殺に追い込んでしまったのも、僕だ。
本当に申し訳ない。この通りだ」
佐々木は立ち上がり、身体を二つ折りにして深く頭を下げた。

「先生、そんな!
そんなこと、やめてください。
私、そんなことをしてもらうために、見せたんじゃありません。
座ってください。
座って、ママと先生のことを、私にわかるように説明してください。
その書き置きを読んでも、私にはわからないことだらけなんです」
真由は、佐々木の両肩に手をかけていった。

「そうだね。きちんと説明しなければいけないね。
それじゃあ、君にとって辛いことになるだろうけど、聞いてくれるね」
佐々木が顔だけを上げて真由を見てそういうと、真由は大きくうなずいた。

「君のお母さんと僕は、ふとしたことで知り合って、偶然が重なったことをきっかけに、深いSMの付き合いをするようになった。
君のお母さんが若妻で、僕が美大生のときだった」
佐々木は椅子に座り直して、語り始めた。
真由は聞き入ろうと、身を乗り出した。


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