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淡恋
【同性愛♂ 官能小説】

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淡恋(後編)-7

「あらあら、もう感じているの…敏感なのね…」

女のその嗜虐に満ちた言葉に僕は体を硬直させ、額に汗を浮かべる。じりじりと臀部のすぼまり
を、女の指で犯される息苦しさが、からだ全体に漂ってくる。


「これから、わたしが何をしたいか、わかるかしら…カズオさん…」

そう言いながら、女はゆっくりと僕のあごを撫で、煙草の煙をふたたび僕の顔に吐きかける。
部屋のなかに、一瞬、淫らな静寂が漂う。女の赤い唇には、ぞっとするような嗜虐に充ちた薄い
笑みが湛えられていた。


女は、口にしていた煙草を指で摘むように持ち直すと、僕の鼻先に突きつけた。

「煙草の火って蝋燭より熱いのよ…でも、マゾのあなたには、あそこの穴にオチンチンを挿入さ
れるより、もっといい刺激が味わえるわよ…」

女のその冷ややかな言葉に、僕の息づかいがしだいに荒くなり、ペニスの芯と臀部のすぼまりが、
恐怖で小刻みに震え出す。

女は僕の背後に佇み、指で臀部の裂け目をゆっくりと押し広げながら、少しずつ煙草の先端を近
づけていく。客席から聞こえる小さな笑いが、木霊のように僕の耳の中で渦を巻く。


尻芽の薄襞が、近づけられる煙草の火の熱さをほのかに感じ始めていた。僕は悶えるように臀部
を悩ましく振る。じりじりと煙草の火が、すぼまりの産毛を炙り始めていた。


「残念だけど、このお尻の穴でしばらく楽しめなくなるわね…」

その瞬間、女は、指につまんだ煙草の先端を、僕の臀部のすぼまりに強く押しつけたのだった…。




地下室でのショーで気を失った僕は、店の奥の倉庫に、全裸のまま放り出されるように、床に
からだを横たえ、ぐったりとしていた。毛布に包まれた体には、鞭の条痕と熱蝋の痛みが残り、
ペニスは感覚を失った腐肉のように縮かみ、臀部の奥には、重い鈍痛が残っていた。

僕は毛を毟りとられた鶏のように、マサユキさんの虚しい残像に淡い切なさを感じていた。

あのとき、マサユキさんは、いったいどんな気持ちで嗜虐される僕の姿を見ていたのだろうか…
マサユキさんが、僕から遠く離れてしまったような気がした。



そして、翌日、あの中年の女は、僕の携帯に電話をしてきたのだ。

…昨夜は、楽しませてもらったわね…あんたに言っておくけど、マサユキは私が買った男なの…
あんたとマサユキが、昔、どんな関係があったか知らないけど、会うのは絶対ゆるさないからね。

…あんたが地下室行きだってことをオーナーから前日に聞いたので、あんたが虐められる姿を見
せしめのために、わざとマサユキを誘ったのよ…マサユキの目の前で、あんたを責めるのは楽し
かったわ…もう一度言うけど、二度とマサユキとは会わないで…

その直後、マサユキさんとの連絡は途絶え、数日後に、僕はそのホストクラブをやめた…。





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