淡恋(後編)-5
「次は、鞭で赤くなったおチンチンの蝋燭ショーを見せていただこうかしら…」
ゆらゆらと橙色に揺らめく炎を灯した蝋燭を手にした女は、目を細めながら言った。僕は、その
ぞっとするような蠱惑的な瞳に怯えたように体を捩った。
「…しっかり楽しませてあげるわね…」
女は薄ら笑いを浮かべ、その蝋燭の炎をゆっくり僕の股間に近づける。僕は嗚咽を呑み込むよう
に咽喉を鳴らし、背筋に悪寒のようなものを感じた。
妖しい蝋燭の炎に魅せられたように女は僕のペニスのまわりをその灯りで照らし出す。照明の
ライトがわずかに暗くなったような気がした。
女は、じわりと僕の絹糸のような淡い陰毛で包まれたペニスに炎を近づけた。炎の熱がじわりと
僕のペニスの先端の皮膚に伝わってくる。
「…あらあら、もう、おチンチン先が、うれしそうにぷるぷると震えているじゃない…」
女は嗜虐の淫情にとりつかれたように、蝋燭の火を淡く靡いた繊毛の草むらに添えた。炎が草む
らの表面を撫でるように炙りはじめる。淡い繊毛のむらがりが靡き、炎の熱気を感じた毛穴から
は、薄い淫汁のような汗が滲みはじめているようだった。
一瞬、陰毛の毛先が、線香花火のようにチリチリと音をたて焦げる。うすい煙とともに、腐った
卵のような臭いがうっすらと漂う。ペニスを苦しげに喘がせながら、僕は下半身をぶるっと捩っ
た。
…ああっ…あっ…
産毛のような淫毛が、風に靡くように蝋燭の炎に絡まり、チリッチリッと少しずつ焦げていく。
恐怖と同時に、一瞬甘美な被虐感が僕のからだにひたひたと湧き上がってくる。
「…フフッ…どう、いい気持ちでしょう…ここの毛を焼かれるのは…」
薄い翳りのような淫毛は、少しずつ炙られ、小さな炎になって焦げては消え、蝋燭の炎がしだい
にペニスの付け根の淫毛を炙り始めると、僕の腿の内側が強ばり、体液が滲み出すようだった。
…ううっ……
女は僕の繁みを炙る炎に陶酔したように目をぎらりと耀かせていた。僕のペニスはしだいその疼
きを増し、悶えるように震えていた。僕の腿肌に汗が流れ、からだの隅々が被虐感で、艶めかし
く冴えわたるようだった。
陰毛を炙られるというおぞましい淫辱に、僕のペニスの芯が小刻みに震え、透明の汁を鈴口から
溢れさせる。その情欲に体が熱く反応していく自分を、もう止めることはできなかった。
女に操られる蝋燭によって、陰毛がシュッという音とともに燃え、枯れるように火が消える。
僕の下半身は、ぶるぶると悶え、からだを吊った鎖がギシギシと不気味な音を響かせた。陰毛の
焦げる異臭が僕の鼻腔を息苦しくする。
腿の内側の肉を震わせ、僕は股間のものを、のけ反るように前に突き出した。滲み出た透明の汁
が、すでに屹立したペニスの先端から滴り、炙られた陰毛の痕をしっとりと湿らせている。