無銭湯記スパゲッチュー-9
第9話『真実』
「へへっ、旦那ぁ・・お安くしときますぜ」
武器商人に言われて、その剣士は迷っていた。
するとレイモンドの奴が、お節介にも口を挟む。
「これはキリク工房の手抜き量産品。こっちはエイダスのレプリカで、あんまり良いもんじゃないわ。これなんてゴルドバ
軍が使ってる安物じゃない!」
へえぇ、こいつけっこう物知りなんだなぁ・・ 俺は感心していた。俺も感心したが、迷っていた剣士もまた、えらく感
心した様子である。ゴッツイ手で彼女の頭を撫でながら、誉めてくれたようである。
武器屋のおやじは、ばつが悪そうにそそくさっと逃げてしまい。姿を晦ましたようだ。
「へぇ〜 なかなかやるじゃないか、お前」
「えっへんだぁ〜! 少しは見直したユグン。あたし剣にはちょっと、うるさいかなぁ!」
調子に乗るなよ、こいつぅ!
「そう言えば、俺の剣はどうなんだ」
俺は以前、怪しい老人から5000ゴールドで買わされた剣を、レイモンドに見せて、尋ねた。すると・・・
「それってお芝居で使うやつでしょ・・・ まさか、知らなかったの?」
”えっ!”
つづく