無銭湯記スパゲッチュー-8
第8話『弁護』
「俺と組まないか!」
ハンターの男が一人、俺に声を掛けて来た。
たしかにお宝は魅力的だが、死ぬような目には合いたくは無い。
「すまない、相棒なら間に合ってるよ」
俺は、前の町から一緒に遣って来たシーフの少女『レイモンド』を、横目で見ながら、そうハンターに答えた。
すると。
「こんなチビが相棒じゃ、稼ぎが少ないだろう」
ハンターは、俺の隣でチビチビとオレンジジュースなんぞを飲んでいる、ガキんちょのレイモンドを馬鹿にした。
さすがにそんな事を言われては、普段、無駄に元気な彼女も、落ち込んだのだろう。俯いて黙っていた。
言われっ放しでは、レイモンドの奴も少し可愛そうだったので、俺はナイスなフォローをしてやる事にした。
「こいつは確かに役立たずだが、いいやつだぜ」
俺がそう言ったとたん、レイモンドは元気を取り戻し。彼女の強烈なキックが俺を直撃した!
”はうっ!”
俺は飲んでいたビールを全部、吐き出した。
つづく