無銭湯記スパゲッチュー-6
第6話『強欲』
「川を渡りたければ、3000ゴールド出しな」
船頭の男は、そう言った。
見れば『イカダ』を使って渡し船をしているようだが。
「急いでいるから、お願いします」
俺の隣りにいた商人はそう言うと、急々と男に金を渡して、イカダに乗り込んで行った。
「兄さんはどうするんだ!」
男は、急かすように俺にも言ってきた。が、俺は低調にお断りした。
3000Gは勿体無い! それに、特に急ぐ旅をしている訳でもなかった。
俺は船頭の漕ぐイカダを見送ると、トボトボと歩きだし。目の前に有る『橋』を渡って、むこう岸へと行く事にした。
つづく