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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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焔の精霊-14

 あの後、医務室を出た2人は談話室に移動。
 授業中だったのもあり、室内は他に誰もいなかった。
 真ん中あたりの席についたキャラは、精霊を机の上に座らせる。
 精霊は尻尾をパタパタさせてご機嫌だ。

「なんで見えるんでしょう?」

「ん〜?わかんないけど〜嬉しいからいいや♪」

 ね〜、と首を傾げるエンと同じように首を傾げる精霊。

「そだ。名前つけようかな〜?」

 エンの言葉に精霊は嬉しそうにコクコク頷いて、羽もパタパタ振る。

「ん〜と…ジョン」

 プイッと顔を背ける。

「嫌みたいですね」

「じゃあ……」

 2人はいろんな名前をあげてみるが、中々精霊は首を縦に振らない。

「う〜…じゃあ……アビィ!」

『キュア!』

「「え」」

 エンが言った名前が気に入ったのだろうか。
 精霊の声が聞こえたと思ったら、その体が光りだし、ムクムクと膨れ上がってきた。

「えぇっ〜?!」

「うわっ!」

 精霊の乗っていた机がベキッという音と共に潰れ、周囲のものをズリズリと押しやっていく。


「……で、気づいたらこんな感じ……」

 3人はデカくなった精霊……というか、赤いドラゴンを見る。
 大人が3人は乗れそうな感じの大きさで、赤い鱗、長い尻尾、蝙蝠のような羽、キュルンとした赤い目。

「……アビィ?」

『キュオッ』

 エンが呼ぶとドラゴン、アビィは体格に似合わない可愛い声で返事をしてエンに顔を擦り付けてきた。

「わぁ♪大きくなったねぇ〜」

 いやいや、デカすぎだろ、とその場にいた全員がツッコむ。

「でも、わかんない事がまた増えた〜」

 なぜ、姿が見えるようになったのか?なぜ、大きくなったのか?
 謎は深まるばかりだ。

「それなんだけどね」

 突然、ベルリアが本を片手に現れた。


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