Purple ecstasy-7
両手を頭の後ろに回し、
右足を折り曲げて膝をあげている。
それだけでも官能的な情景なのに、その官能をより高めているのは彼女の身に付けている水着だろう。
薄い紫色の生地を使った ワンピースタイプ。
彼女の白い肌にぴったりと張り付いており、
肌に密着しているが故に身体の線のラインがくっきりしている。
下腹部から太ももにかけての“Vライン"は、切れ込みの角度が鋭い。
何より胸の谷間の下付近からへその線まで、水着にダイヤ型の穴が空いていることである。
おかげで胸の谷間からへその辺りまで白い肌が露出し、
胸や下腹部が見えそうで見えないという“男をそそる"姿。
海や空を見るより先に、
彼女の方に目がいってしまう光景だった。
(・・・どこかで見たな、彼女。それも最近、この島で・・・・・)
ラグナは頭の中の記憶を揺り起こし、過去の中の彼女の姿を必死に呼び覚まそうとする。
そこでラグナはハッと気づいた。
(そうだ、今日空港で・・・・・見送りの人混みの中にいた。確か彼女・・・・ルールーと呼ばれていたな)
ようやく思い当たる記憶にたどり着き納得する。
しかしこのまま彼女を凝視しておくのも明らかに怪しい。
横たわる彼女の傍を通って砂浜で日当たりのよさそうな場所を見つけて腰を下ろす。
無意識にも視線を横にずらすだけで、ルールーと呼ばれた女性の姿を視野に収められる場所。
正直自分の中の“男のさが"に苦笑しつつ、
ラグナは目を瞑り吹きつける潮風と降り注ぐ日の光を全身で受け止める。
ここに来たばかりで何だか泳ぐ気にもなれないので、今日はこの日光浴だけで十分だった。
今まで仕事が多忙な為に溜まりに溜まっていた疲労感がこれだけで消え去っていく気分である。
あたりに殆ど人影がないのも悪くなかった。
ちらりと視線を横にずらせば見事な肢体が視界に入る。
何かしているわけでもないのに、
ラグナにとっては最高の時間がこうして過ぎていく――――