Purple ecstasy-6
「・・・・なるほど、確かにここは穴場だな」
教えられた小道を辿って目的地についたラグナは、穴場という言葉の意味を理解した。
そこは島で一番切り立った崖と入り江の狭間に位置しており、一見してその場所は陸地側からは死角の位置にある。
入江の中に広くはないが白い砂浜と、
入江に打ち寄せる透明度の高い海水も打ち寄せている。
それ以外の音らしい音は微かな小鳥のさえずりくらいで、
ラグナのように1人で静かな時間を過ごしたい者にとって見れば最高の空間ともいえる。
「悪くないな・・・・」
空を仰げば、太陽がやや西に傾いてはいるものの、夏らしい陽の照りつけは健在だ。
「今日はここで時間をつぶすか・・・・」
そのまま小道から白い砂浜に足を踏み入れた時、
ラグナはここである事に気づいた。
( !!! )
一番乗りと思った“穴場"には既に“先客"がいたことに――――
その先客は黒髪の女性だった。
波打ち際に程近い場所に緑色のパラソルを立て、
影になる場所に青いシートを敷いて仰向けに横たわっている。
髪は腰付近にまで垂れ下がっており、その長さのせいか左目付近がすっぽりと隠れてしまっている。
先程まで海に入っていたのか水気を含んだ状態だ。
目許はサングラスをかけているため、起きているのか眠っているのかは判然としない。
ただ顔立ちは大人びていて女性の大人としての成熟ぶりを示している。
年齢としては年増・・・いやいや、ラグナと同年代かやや年下といったところだろう。
口許は閉じられてはいるものの、唇は紫がかっていて妖しさ十分。はたから見ていても吸い付きたくなるような柔らかい肉付きである。
目をやや下にずらせば、砂浜を思わせるような白い肌とバランスのとれた肢体。
そのバランスの中で乳房だけはやや豊かさを持つ膨らみで、この世の男ならば必ず目をやってしまう代物だろう。