Purple ecstasy-21
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「ん・・・・・」
―――ラグナが目覚めた時、既に太陽は地平線から顔を出し室内は明るくなっている。
ベットの上で俯せに横たわった状態のまま無意識に傍らに手を伸ばしたが、
その手は何も掴むことはなかった。
「・・・・・」
意識もはっきりしてきたので、よろよろと上半身を起こし目を擦る。
ラグナの身体には
昨晩ルールーと身体を重ねた生々しい感覚がはっきりと残っていた。
室内を見渡してもルールーの姿はない。
昨晩一緒になって脱ぎ捨てた衣類や装飾品もあとかたもなく消え去っていた。
微かにルールーがつけていた香水の香りがところどころに残っているくらいである。
「・・・・・仕方ないな。これでよしとするか」
彼女の姿がないことに一抹の寂しさを覚えつつも、
自分と彼女の立ち位置を思い起こしてラグナは自分自身を納得させようとした。
本当はもっと彼女を味わい、
限られた時間の中でその魅力を堪能しようと望むのは所詮は彼のエゴ。
一夜のことと思ってわりきるかと考え、ラグナはゆっくりと立ち上がりベットから抜け出した。
壁にかかっている時計の針は10時13分を指している。
うーんと背伸びし、何気に鏡台の上を見たラグナの目に
昨日まではなかった
“1枚のカード”が
目に飛び込んできた。
「これは・・・ルーが?」
カードを手にとって見るとそこにはこう走り書きされていた。