年下のS彼氏-10
「そ、そうなんですか」美奈はグビッとカクテルを飲む。
「このお酒おいしいですね」・・・話題を変えてみる。
「美奈さんは今お付き合いしてる人いるんですか?」
話題変更失敗・・・。
どうしよう、優斗のこと涼子にも言ってなかったのにっ・・・。
って・・・いうか、優斗と私の関係って・・・?
同居人でセックスもするけど、付き合ってるって言えるのかな?
好きだと言われたこともないし。そんなことを考えていたら何だか悲しくなった。
「美奈、どうしたの?」いつまでも何も言わない美奈を心配して涼子が覗き込んだ。
「・・・っ!ごめん、私帰るね」「美奈っ・・・!」
お金を置いて、バタバタと居酒屋を出る。
外に出て、ふうっと息をつくといきなり腕を掴まれた。
(優斗・・・?!)
後ろを見ると、原口だった。
「美奈さんっ・・・!」「は、原口さん・・・」
「僕では、ダメですか・・?本気で、美奈さんのこと・・・」美奈が、何かを言いかけたときだった。
「随分楽しそうだね?」優斗が立っていた。
「・・・優斗っ・・・!」「俺、お邪魔みたいだし行くわ。じゃあね」
「優斗!」
「・・美奈さん、あの人は?」「原口さん、ごめんなさいっ・・・!私、好きな人がいるんです!」
原口の手を解いて、美奈は優斗のあとを追いかけた。