2・壁-6
「大丈夫、顔は見ないから。その方がお前も遠慮なく出来るよな・・・?」
「・・・・・・・・・」
フィアは顔を下に向けた。
すぐに嗚咽が聞こえてきたので、背中をさする。
泣くだけ泣いたら必ずすっきりするはずだ。
本当は俺だって泣きたかった。
父ちゃんに、母ちゃんに会いたかった。
でも、お兄ちゃんが涙を見せたら妹はどうなる?
だから・・・俺の分まで泣いてくれ。
お前は妹なんだ、安心して泣いていいんだぞ。
空は真っ暗になり、辺りは闇に包まれていた。
でも、朝になればまた明るくなる。だから・・・・・待たなくちゃ。
必ずこの森を出るんだ−
〜〜続く〜〜