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「Wing」
【ファンタジー その他小説】

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「Wing」-3

第ニ章〜会〜




「どうしよう……」
森を歩いていたらウサギを見つけたんだっけ……追い掛けてたら見失って、それで帰ろうと思って歩いてたら、
「ここ、何処?」
知らない所に出た。迷った?
見たことも無い荒野が目の前に広がっている。辺りを見ても人っ子一人いない。空は先程までとはうって変って、今にも泣き出しそうな天気になっている。少し疲れたから一休みすることにした。葉が生い茂った木を見つけ、幹にもたれかけて眠る。森の奥で光る眼にも気付かずに……



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ふとなにかの視線を感じた。うっすらと目を開け、確認する。そこにいたのは……





「きゃあぁぁぁ……!」
ブラつくのもめんどくさくなってきたので、地面に座って暫くボーっとしてたら突然悲鳴が聞こえてきた。
……なんだ?
めんどくさいが、ほっとくわけにもいかない。
悲鳴のした方へ行ってみると女が野盗共に囲まれている。ざっと二十人といったところだろう。
「女がこんな所に一人で何してるんだ?」
「どうした? 怖がらなくてもいいんだ、お嬢ちゃん。オジサン達が遊んであげようか?」
ニヤニヤ笑いながら女に近寄っていく。仕方ないから助けてやるか……それにしてもめんどくさい。
「なんだ? お前」
図体のでかい男が凄みをきかせて聞いてきた。
……喋りかけるな……

心の中でそう呟き、腹に右膝をくれてやる。
「ぐっ……」
呻き声を上げて、男が前のめりに倒れる。他の男達が何事かとこちらを振り返った。それらの視線を無視して女の傍へ歩み寄って行く。
「大丈夫か?」
「……」
聞いてやったが返事が無い。顔をまっ青にして歯をカタカタ鳴らしている。
「なんなんだ? てめぇは」
見ると、男達が刃物を構えてこちらの様子を伺っていた。
一番手前にいた男の正面に立ち、見下ろす。男が切りかかってくるが、剣の軌道を読み切り、体勢を低くしてかわし、脇腹に右拳を叩き込む。今度は声もあげさせなかった。



『うおぉおオぉォ……』
男達が少年に一斉に襲いかかる。まずは、左右から二人が同時にに剣を振り回しながら。一歩退がって回避し右の男の足をはらう。そして空振ったせいで大きくバランスを崩している左の男の顎に掌打をあびせる。次は正面から二人、背後から一人。太った男が斧を振り降ろす。体を半身にして流す。頭に左拳を叩き込もうとしたら、もう一人の男が剣で脚を、後ろの野郎が槍で背中を狙ってくる。咄嗟に右足で剣を踏み付け、背後からの槍は右の脇下で挟む。そこへ初弾を外し第二撃を放とうとするデブ。体を左に捻り槍ごと男を投げ飛ばすと、剣の男に当たり二人共倒れる。そして少し怯んだ豚の顔面に肘を喰らわせる。瞬く間に五人が沈んだ。
一人ずつってのもめんどくさいが地道に眠らせていくか。




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