EP.FINAL「良かったよ。当たり前じゃん」-4
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「お前、何か雰囲気変わったみてえだな」
新学期前日の夜、寝ながら本を読んでいた園田が口を開いた。
「何か吹っ切れたみたいな、やけに清々しい顔をしてるな」
ずっと机に向かっていた目黒がノートから目を離した。
「いつも、時々難しそうな顔してたもんな。でも今は、なんか晴れやかだよ」
珍しくまだ起きている船木が、ベッドに転がりながら言った。
何で揃って、しかもこんな時に言うんだろう。
帰ってきたばかりの時は何も言わなかったのに。
「そっか?別に変わってないと思うが」
「何かいつも思い詰めた様な顔してたけど、向こうに帰ってからそうじゃなくなったな」
思い詰める・・・
確かに、そうだったかもな。
あの日以来、姉ちゃんとエッチしたいという気持ちは、憑き物が取れたみたいに無くなっていた。
「いい事じゃないか。これからは真面目に勉強に励みたまえ、岡山くん」
「お前が言うな、園田」
もう消灯時間になったので、それぞれベッドに潜り込んだ。
5分もしないうちに船木が鼾をかきはじめて、それから立て続けに園田と目黒も眠りに落ち、鼾が重なっていく。
明日からまた学校が始まる。
俺が落ち着いていられるのは姉ちゃんのおかげだ。
次に会えるのが楽しみだよ。
変な下心とかは無しでただ普通に会いたい。
姉ちゃん・・・
もうちょい待ってて−
〜〜おしまい〜〜