せみしぐれ〜君といた夏〜-7
「…ごめん。もう、我慢できそうにない…」
「フフッ。さっきから、謝ってばっかり。…こういう場面では『ごめん』て言わないの」
「そうな…あ、あぁぅ!」
あの人の細い指が、爆発寸前の俺の肉棒に触れた。
「あ、うぁ…やめ…ヤバいから…」
「すごい…固いね。熱くて…ビクビクしてる…」
そのまま、あの人の指は張り詰め弾けそうなその肉棒をゆっくりと導いて。
そして――。
「…ここ。わかる?」
「あ…あぁぁ…」
亀頭の先が、あの人の熱くぬめった秘裂に触れた。
視線の先には、今にもその内に飲み込まれんとしている、たぎった俺の熱の塊。
初めて見る、強烈な淫靡さを放つその光景に、俺は思わず息をのむ。
「…きて…いいよ」
「―――…!」
腕を伸ばし、俺の頬を両手で包んであの人が囁いた。
――ヌ…チュ…。
「ん、あぁぁ…!」
「うぁ…ぁ!」
腰を押し出し、俺は未知なる温もりの中へと肉棒を突き入れた。
耳元では、あの人の少しかすれた喘ぎ声。
…繋がっているんだ。
その現実を噛み締めれば、俺の激情は更に熱く燃えたぎった。
「あぁ…!すご…い、大きい…ん、はぁぁ!」
淫らにうねりながら俺を包み込む、愛しい人の内側。
「はぁ…あぁぅ!」
全てを持っていかれそうな初めての刺激。
気を抜けばすぐに襲いかってくる爆発の予感に、俺は何度も必死に抵抗を試みながら、あの人の身体を揺さぶり続けた。
もっと、声が聞きたい。
もっと、繋がっていたい。
奥深くまで、もっと…!
「…あぁ!ダ、ダメ…私、もう…おかしく、なり…そう…ん、んぁぁっ!」
「あ…あぁっ!すごい…こ、こんなにグチョグチョに…なってる…くぁ…っ」
「い、いや!言わない…でぇ…!と、止まらないの!んぁ…腰が…あ、動いちゃう…!」
触れ合う肌は吹き出る汗にまみれて滑り、それさえも快感を後押しした。
揺れる視界の中には、髪を振り乱し悶え喘ぐあの人。
固く目を閉じ、開いた唇からは乱れた吐息が零れ落ちている。
小刻みに震える腰の動きは、先走る滴を撒き散らしながら淫らに繋がる箇所に響いた。
絡みつく、灼熱のうねり。
歯を食いしばって耐えてきた俺も、そろそろ限界が近いようだった。
急激な速さで込み上げる、爆発の予感。
「うぉ…ぁ…お、俺…もう…!」
「…イ、イキそう…っ?」
「あ、あぁ…!」
「はぁ、んぁ…ん!わ、私も…あ、あぁ!」
ふいに、あの人の閉じていた瞼が開いて。
交わる視線は、それがラストスパートの合図だった。
「…あ、あ、うぁぁ…!は、激し…あぁん!」
悲鳴のような嬌声。
部屋中に溢れる、卑猥な水音。
――そして。
「…あぁ!あ、足…は、離して…ダメだよ、あぁ…出ちゃう…よ」
突然、俺の腰にあの人の両足が絡みついた。
より深く、より激しく繋がる俺たち2人。
駆け上がる、眩しい閃光。
「あ、くぁ…あぁぅ!で、出る…出る!…あぁっ、イ、イクっ…!ち、千波さ…ん!!」
「んぁ…あっ!…はぁ、あ、イクぅ…っ…れ、玲二く…!はぁ!…んあぁぁぁ…!!」
弾けた閃光で、目の前が白く光った。
一度きり、呼んだ名前。
一度きり、呼んでくれた名前。