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おなり神
【兄妹相姦 官能小説】

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おなり神-4

「お兄ちゃん、…大丈夫?」耳元で真知子が囁く。
 一瞬意識が飛んだのかも知れない。妹に覆いかぶさったままである。
「…ごめん、真知」思わず謝りながら、繋がっていた体を離した。
 性行為自体は合意(相姦)である。しかし、妹の許しを得る前に中(膣内)に出してしまったことはだらしないし、あまりに早く終わってしまったことも身勝手で恥ずかしい。…だが、まったくその衝動を自分の意志で制御できなかったのだ。本能のまま射精してしまったとしか考えられない。
「中に出してしまったけど…」
 言おうとする途中で真知子が遮った。
「いいの。私、嬉しい。…お兄ちゃんにこうして欲しかったの。体が悦んでいるのが分かる…お兄ぃの精子を自分の中に受け入れることができたから」
「全然我慢ができなくて…」
「だから、いいの。お兄ぃがそれだけ私を想ってくれていたという証拠だもの。…私もお兄ぃが小説に書いてくれた通りの妹だよ。ずっとお兄ぃのことを想っていたから。でも、私たち似た者同士だからね。いくら好きでも、相手の生活や人生は壊せなかったよね…」

 真知子がまた顔を寄せてきた。横向きになって抱き合い、濃厚なキスをする。
「もう少し、このままでいい?」真知子が訊く。
「もちろん。…死ぬまで真知とこうしていたい」本気だった。
 抱き締める腕に力を込める。
「…お兄ちゃん、私、今年になってから、何度もお兄ちゃんの夢を見るようになったの」
 しばらくして妹が話し始めた。
「夢って、恥ずかしい夢…お兄ちゃんに抱かれる夢なの。本当言うと、若いときには何度も見た夢。でも、もうずっと長い間忘れていたの。それなのに、なんで今ごろまた?…って不思議な気持ちだった」
 (オレは忘れていなかったよ)そう思ったが口には出さなかった。
「3月に入ると、もう毎晩必ずお兄ぃが夢に出てきて私を抱くの…。体がどうにかなってしまいそうなくらいに。とうとう私…眠る前から体が疼くようになってしまったわ」
 黙って真知子を見詰める。
「誰にも言えないし、正直、悩んだわ。でも、こういうことって他の人たちにも起きることなのかしら…って」
そう思ったのがネットで調べてみるきっかけだったのだと言う。近親相姦に関する記事やサイトはそれこそいっぱいあった。もちろん、兄と妹が男女の関係になるような話も…。
「その中にお兄ちゃんのも見つけちゃった」
「…真知子」
「うぅん、もちろん怒ってないよ。最初は、ふ〜ん、自分の名前が出てくる小説があるのか…くらいの気持ちで読み始めたんだけど、すぐに、これはお兄ぃが書いたものだって分かった。私とお兄ぃしか知らないエピソードがいっぱい書いてあったし…。戸惑いもあったけど、読んだらもの凄く伝わってきたの…おーい、おーいって私を求めるお兄ちゃんの気持ちが」
 私は真知子を強く抱きしめた。
「…それでね、調べているうちに、もの凄く気になる文献も見つけたの。それは「おなり神」といって、妹が兄の守り神になるという話なんだけど。…「おなり神」ってお兄ちゃんは聞いたことある?」
「あぁ、知ってるよ」それは沖縄地方で伝わっている信仰であった。
 血の繋がった妹に相姦願望を抱き続ける自分の性癖に疚(やま)しさを感じていることもあって、私も以前からそうしたことは調べ尽くしていた。だから、当然「おなり神」信仰については知っている。
「私、あぁ、これ分かる…と思ったわ。これは私だ。私はお兄ちゃんの「おなり」だ。「おなり」になりたい…うぅん、きっとなれるって…」
私も、真知子が自分の「おなり神」に違いない(そうあって欲しい)と思いながら生きてきたのだ。
「そうしたら、大地震でしょ…」
 
3月11日、東北・関東地方をマグニチュード9.0の大地震が襲った。直後の大津波もあって大勢の死者・行方不明者が出ている。まだ正確な被害状況さえ掴めていない。そこへもってきて「福島原発」事故である。これもどこまで深刻な事態になるのか予断を許さない。
未曾有の大災害であり、今も日本全体が危機感に覆われている。


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