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おなり神
【兄妹相姦 官能小説】

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おなり神-2

少し沈黙があった。
…そして真知子が何も言わずに抱きついてきた。
「う!…どうした、何かあったのか?」
「お兄ぃ、今でも私が好き?」
「な、何を…」
「好きならキスして…」真知子は私を見詰め、それから目をつむった。
「…」
 何が起きているのか分からないまま(…いや、頭のスミではもう分かっていた)私は迷うことなく真知子の唇を吸った。真知子も吸い返してくる。
 兄妹初めてのキスである。長い間夢想していたことが突然現実となった。この歳になって真知子と本当に唇を重ねるとは…。
ふたりは長く連れ添った恋人同士のように自然に抱き合った。
背中に手を回し、顔を寄せ、お互いの舌を執拗にからめ、吸い合う。…私は、陶然としながら妹の唇を貪(むさぼ)った。

 (…そうか、間違いない。やはり真知子はアレを見たのだ。そうでなければ、これまで自分たち兄妹の間に何もなかったのに、いきなりのこの展開は有り得ない)
…アレとは投稿小説のことである。
 実の妹なのに、私には真知子への強い相姦願望があった。若い頃からずっと抱き続けてきた想いであり、歳をとった今でもその気持ち(欲望・願望)は一向に衰えない。空想の世界で、私は幾度となく妹と交わっている。
妻や他の女とセックスしていても、頭の隅にはいつも真知子がいた。精を放つとき、いま真知子の中に(妹の膣内に)精液を注ぎ込むのだ!…とイメージすると、強い快感が得られた。
そうした妹への飽くなき想いを、頭の中だけでなく小説という具体的な形で書き表してみた。もちろん、真知子は実名のまま登場する。そうでなければ意味が無いからである。
 話の流れやシチュエーションはその都度変えたが、どの小説の中でも、私と真知子は血を分けた兄妹でありながら必ず相思相愛の関係にある。そして、それまで隠してきた気持ちをお互いに確認できたとき、ふたりは激しく交(まぐ)わうのだ。行為の終わりには、私は「真知子!」と名を呼びながら妹の子宮めがけて大量の精液を噴出させ、真知子は「お兄ちゃん!」と叫び、悦びに体を震わせながら、私の精子を性器の中に受け入れる。
…書きながら、そして書いたものを読み返しながら何度も自慰をした。
妄想は膨らみ、気がつくと10話に及ぶストーリーが出来上がっていた。真知子に実の兄である自分の子を孕ませたいという切なる願望も、小説の中では充分に果たしている。
最近になって、私はそれをネットに投稿したのだ。
 官能小説サイト(近親相姦ジャンル)なので、よもや誰も見ることはないだろうとタカをくくっていた。
ただし、もしも当人が読めば、自分のことであろうことはすぐに察しがつく。実際に起きたこと(事実)がエピソードとして入っているし、家族関係や他の登場人物・場所も本物をベースにして書いてあるからだ。
そして、作者名を“おちくん”とした。これは、私の小学校低学年までの綽名(あだな)である。自分以外、誰も覚えている人間はいないはずだったが、考えてみれば、小さい頃から仲の良かった真知子が、当時の兄の綽名を覚えていても不思議は無い。

 (たぶん、真知子はわざわざ私がひとりのときを狙って来たのだ)
…もはや、男根は固くそそり立っている。
(自分の欲望に素直になろう…)
背中に回していた手を前に持ってきて、真知子の胸の膨らみを揉む。
小説では豊かな乳房という表現をしているが、実際はそれほど大きくはない。だが、今、私は現実の世界で妹の乳房を揉んでいるのだ。
 勃起したことを隠さず、それを押し付けるようにしながら、飽きずに妹の舌を吸い続ける。
真知子も片方の手を降ろし、私のモノをズボンの上からさする。
「…お兄ぃ」
 ようやく唇を離した妹が、潤んだ目で私を見た。
「真知、…ネットを見たのか?」一応確認してみる。
「うん。…書いたのはお兄ちゃんだということがすぐに分かったわ。それと、私への想いも…」
 なぜそんなサイトを覗いたのかということは訊かないことにした。
「ねぇ、お兄ちゃん。…私、もう若くないけど…」
 そんなことは言わなくていい。お互い様である。私は再び唇を重ね、続けようとする言葉を遮った。
「…抱くぞ、真知。いいな?」
 妹は上気した顔で頷いた。


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