EP.6「おめでと。ホントに、おめでとう」-5
<Midori's Side>
信之介を引き寄せて、抱き締めた。
こいつ・・・寝てるとこを襲うなんて、やってくれるじゃん。
でも、信之介が面と向かってやらせてくれと頼んでくるとは思ってなかったから、あんまり驚いてはいない。
寧ろ予想してた通り、衝動的に襲ってきたか。
でも、いざ私を前にして何も出来なくなって、帰るに帰れずベッドに座ってたら起きちゃった、こんなとこかな。
「さっさと来いって」
「ちょ、ちょっと姉ちゃん!」
まだ戸惑っている信之介を抱き寄せて、2人でベッドに寝転んだ。
こうしてると、まるで子供の頃に戻ったみたいだった。
普段は口に出さないけど、これでもあんたの事心配してるんだから。
こっちから聞かないとあんまり自分の話をしないから、面倒な弟だと思う。
抱き締める体は意外と厚みがあって、これからもっと男の体に成長していくんだな、と寂しくなった。
ねえ、信之介。
私もね・・・あんたとエッチしたい、って思った事あるんだよ。
でも内緒。というか、言わなくても分かるか、こんな真似してたら。
おかしいよね?
私達、姉弟なのにね。
只の気紛れみたいなつもりだったし、そう何度も思った事が無いから、本気じゃないと思ってたんだよ。
だから、おかしいんだよね。
今日帰ってくるの分かってたくせに、あれだけ会いたがってたのに、部屋から出られなかった。
下から声が聞こえてきてドキドキしたのは初めてだった。
なんでこんな奴なんかに興奮したんだろ、意味分かんない。
「・・・姉ちゃん・・・」
「ん・・・・・っ」
信之介が唇を重ねてきた。
あまりに自然だったから直ぐ気付けなくて、既に舌を入れられてから分かった。
(ん・・・ぁ・・・っ)
舌先が私の舌に触れて、擽る様になぞってくる。
なんだか、妙に慣れてる様な感じがするんだけど、気のせいだよね?
舌がぬめぬめして、これ以上やられたら変な気分になりそうだった。
顔を動かして止めさせようとしたら、信之介の両手が顔を抑えつけてきて・・・・・
(こ、こら!離せこの変態!)
弟のくせしてなんて生意気なんだ、やめろって。
この野郎、私が知らない間に一体何があったんだ。初めてのくせに、自分から私の行動を制限してくるなんて・・・
「んっ、んるぅ、んんっ」
唇を押し付ける様に激しくキスをしてくる弟を、私はただ黙って受け入れた。
でも、痛いからもうちょっと優しくして、信之介。お願い。
「んぅぅう・・・」
更に私の舌まで吸い付こうとしてきたので、身の危険を感じてこめかみを折り曲げた中指で突いた。