ZERO-16
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ざっと昨日からの出来事を説明したのだが、横田は目が点になってるし成田さんは話を聞いちゃいない。どうせ徳さんも………。
「ワタシ心当たりあるヨ」
「えっ!?それは……」
俺が身を乗り出して訊こうとすると徳さんは手をかざす。
「まあ、話はコハン終わってからネ……」
そこにちょうど伊丹さんが料理を運んできた。
「そうそう。俺も話しは聞きたいからな。そうゆう事は腹拵えしてからさ」
出されたのはカレーと、都にはオムライス。鳴呼…やっと『まともな』飯にありつける……。
「ところで、翼はどうしたんだ?」
伊丹さんが話しかけても、横田は俺のことを宇宙人でも見てるような顔をしてる。
「だ、だってそんな話し信じられるかよ!?」
こいつが一番まともなリアクションしてくれるなぁ……。
「ほら、翼だって『種の起源』の話しは知ってるでしょ?」
「あれはおとぎ話だろ!」
「あの〜『種の起源』ってのは何です?」
徳さんがまだ何か言いたそうな横田をどけてこっちを向く。
「それもコハン終わってからネ。話ゆっくりした方かよろし。カレー冷めてしまうネ……」
そのころ成田さんは一人静かに酒を飲んでいた。俺、まだこの人が喋ったとこ見てないなぁ……。