投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

みどり
【姉弟相姦 官能小説】

みどりの最初へ みどり 38 みどり 40 みどりの最後へ

EP.4「嬉しい事でもあったんだろ」-9

「やっば、汗かいてたんだった。汚れちゃうよね」

そうだね、あれだけゲームやってはしゃげば・・・
それなのに商品を身に付けるのはまずいね。店員がこっち見てる様な気がするけど、気のせいという事にしておけばいい。
帽子を戻しながら照れ臭そうに笑う高梨さんに、またドキドキしてしまった。
あの時思い切って告白して良かった。もし何もしなかったら今頃は、高梨さんとはただのクラスメイトのままだったに違いない。

ただ一緒に歩いているだけでとても楽しくて、心が踊っていた。
こんな時間がいつまでもずっと続いてくれればいい−

俺は本気でそうなるのを願っていた。


寮の門限が迫ってきたので、名残惜しいけど高梨さんと別れた。

・・・さて、楽しい時間は終わりだ。
寮に帰れば園田達からの地獄の尋問が待っている。笑っている余裕など無い。
でも、怖がる事なんて無い。ただあった事をそのまま話せばいいだけだ。

恐る恐る門を潜り、中に入った。
だが、もう間もなく門限なのにまだ誰も帰っていない。
一先ずほっと胸を撫で下ろしたが、どうせなら早く済んでほしいと思うと複雑だった。
テレビの前のソファーに座り、クマのぬいぐるみを眺める。
無表情なクマとは違い自分でもにやけているのが、頬にかかる負荷で分かった。

「・・・?」

ポケットの中の電話が鳴り、確認してみると姉ちゃんからだった。
何の用だ、ある意味死刑執行前の俺に電話してくるなんて。

「はい、もしもし」
¨よっ。元気か?¨
「あー、いつもと同じ」
¨そうか?いつも以上にやる気無さそうな返事だな¨

ちょっと違う。
あまり姉ちゃんと話すつもりが無いだけだ。
こないだの時はそれ程でも無かったけど、こっちに帰ってから面倒になったのは確か。

¨話しても大丈夫?¨

なんで、聞いてくるんだ。
わざわざそっちから電話してきといて、おかしいだろう。
相変わらず行動が変だな、姉ちゃんは。
でもこっちの都合を聞いてきたのは珍しかったので、仕方なく答えようとした。

¨やめとく¨

しかし返事する前から断ってきたので思わず転けてしまう。

「まだ何も言ってないだろ!」
¨だって、他に用事ありそうだから。ごめん、誰かと話してたんでしょ?¨

今までそんな事気にしなかったのに、なんでだ。
いくら家族が相手とはいえ・・・俺の声、そんなに不機嫌そうだったか。

「まだ誰も帰ってきてないよ」
¨そっか、何か変だったから。あんたの声っていうか、雰囲気が¨

俺は姉ちゃんがいつも変わりなく見えるんだけど、姉ちゃんは俺の変化が分かるのか・・・?

¨嬉しい事でもあったんだろ¨
「無いって。あ、皆帰ってきた、じゃあ」
¨ち、いいとこで。じゃあな信之介¨

嘘だ、誰の姿も見えない。
問い詰められるのが怖かったので電話を切った。

もし姉ちゃんが俺に彼女がいると知ったら何て思うだろう?
言えない。何だか恐ろしい事になりそうだ。


クマのぬいぐるみはこんな時でも無表情だった。


〜〜続く〜〜


みどりの最初へ みどり 38 みどり 40 みどりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前