ポートセルミ編 その二 出会いと別れ-18
「ああん、やだ、触り方がセクハラだってば……」
「君がさ……、オラクルベリーで襲われたとき、助けたの……君と知り合いになりたかったからさ……。こうして、こんな素敵なこと、できるなんて!」
「うふふ、今頃あいつらの娼婦になってたかもね?」
「嫌だ! そんなこと嫌だ! アルマは僕のものだ! 誰にも渡したくない。離したくないんだ!」
「うふ、嬉しいわ……。あぁ……すごい、さっきよりすごいのがきそう。多分、失神しちゃうかも……そしたら、ぎゅっとしてね……」
「うん、アルマ、もう、もうすぐ、また、なっちゃうよ……」
「んっ、私も、もう……だめかも……リョカ、本当に、私、貴方のことずっと好きだったんだから〜!!」
「アルマーッ!」
リョカの腰が強く彼女を波打たせたとき、先ほどよりも熱く、強い迸りがアルマの中に放たれる。
「熱っ!」
膣内への射精に反射的に膣を締めるアルマ。
「うっ」
その収縮にリョカは繊細な部分を乱暴に愛撫される。
二人は抱き合いながら、ビクンビクンと震え合い、しばらくして、ベッドに倒れた。
にゅぽっと抜けたリョカのソレからはだらりと白濁液が零れシーツを汚し、アルマの割れ目からは血と精液の混じりあったソレが流れ出る。
初体験を終えた二人は、まるで失神したかのようにそのまま深い眠りへとついた。
**――**
朝も早い時間、アルマは彼女を抱きしめて離そうとしないリョカの腕からそっと抜け出す。
バスルームで汲み置きの水を浴び、昨日の愛の残り香を流す。
鏡に映るリョカのキスマークを寂しく見つめ、そっと部屋を抜け出した。
井戸の近くでもう一度顔を洗う。朝のひんやりした空気を胸いっぱい吸いながら、まだ身体の内側に残る彼を思う。
下腹部に手を当てるとまざまざと思い浮かぶ、昨日の記憶。リョカを求め、求められ、深みに溺れていく二人。もう二度と離れたくないと願い、今もそう思っている。けれど、彼には目的があり、その足枷になりたくない。そして……、
「お? じょうちゃん、早いな……」
霧の向こうからのっしのっしとやってくる不思議な影。大きめの四足と翼。ガロンの背中でシドレーが手綱を引いていた。
「あなた……、なにしてんの?」
「ウチのガロンちゃんは朝早いざますからね。散歩は毎日の日課ざますのよ。おほほのほ」
欠伸をしながら手で口を隠すシドレー。一体なんのまねなのかはさておき、アルマの中で残っていたピースが嵌る。
カボチ村近辺に現れた翼の生えたキラーパンサーというのは、シドレーによるガロンの朝の散歩が原因。朝もやの中ではそれを見間違えるのも無理はないだろう。
「あれ? リョカは?」
「まだ寝てる」
タオルで顔を拭きながら、それが失言であったと真っ赤になるアルマ。
もっともシドレーは気に留める様子もなくガロンの背中から居りると、鞄から干し肉を取り出して与える。
彼が一体どうやってお金を稼ぎ、どこでそれを買っているのか、アルマは首を傾げる。