ポートセルミ編 その二 出会いと別れ-16
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「ん、はぅ……ちゅ……あむ……」
「はぁ……そんなにおっぱいばっかり舐めて……あ、やだ、もう、噛むの反則……」
ベッドに仰向けになるアルマと、覆いかぶさってもぞもぞと蠢くリョカ。
彼は彼女の乳房を丹念に舐めあげ、突起した乳首を吸っては舌で転がし、嬉しそうなくと、今度は駄々をこねるように甘く噛む。
アルマはそのいちいちの動作に身体をびくつかせ、彼にされるがままでいた。
一度達した二人はじゃれるように絡み合い、キスを交わした。それに満足できないリョカは欲望のまま彼女の肢体を舐め上げ、手を取り合い、指先を絡める。
「アルマ……もっと、もっと……」
何をしたいのかがわからないリョカは、思いつくまま彼女の身体にキスをし、両方のおっぱい、お臍を下で舐める。
「んぅ、くすぐったい……」
ぶるっと肩を抱く彼女の腕を強引に開き、剃り残しの無い腋に唇を近づける。
「だめ!」
かろうじて残る羞恥からか、アルマはそれをやめさせようと腋を締める。
「アルマ……君の全てにキスしたいんだ……」
甘えるような声と頼りなげな瞳、けれど力強い腕に徐々に抵抗が出来なくなり、二の腕にちゅっとされたとき、降参とばかりに腕を投げ出す。
「アルマ……ここも好きにするね……」
ちゅっと腋の下にキスをして、舌でちろっと舐める。アルマは恥ずかしさと興奮で目の前がぼやけていた。
その間もリョカは彼女を堪能しようと、今度は太腿を持ち上げ、ちゅっちゅっちゅとキスでにじる。
脛に鼻を擦りつけ、そのまま足の甲にキス。手入れこそ行き届いている指先をぺろぺろと舐め始めたとき、アルマに再び男を使役するような興奮を覚えた。
「んもう……リョカったらもう私の奴隷決定ね……」
「ふふ、君の奴隷にならなりたいな……」
「そう? 私は厳しいわよ」
「一緒に居られるならそれがいい……」
リョカはもう片方の足の甲にキスをした後、アルマの差し出したグラスを口にして、タオルで拭う。
「ね、リョカ……、どうしたい?」
「どうってこうしてアルマと一緒にいたい……」
「ふふ、ドウテイ君はこれだから……くすっ」
「だって、本当にわからないんだもの……ふふ」
軽くキス。アルマは彼のおでこに張り付いた前髪を払い、ベッド枕のほうに身体をずらす。リョカは逃がしたくないとそれを追うが、彼女の手で遮られる。
まるで遊びを断られた忠犬のようにしょぼくれる彼に、アルマは「慌てないのと」とおでこを突く。
「リョカ、約束できるかしら? これからすること、私がどんなに痛がっても、絶対に途中で止めちゃだめ。リョカの気持ちが晴れるまで、何度でも私を求めるの。約束して?」
「え? どういうこと?」
「うん。ちょっとね。私って意外と痛がりなのよ」
「痛い? 僕のホイミで……」
「ばーか」
「なんで? アルマが痛がるところなんて見たくないよ」
「う〜ん、大切な痛みだったりするからさ……。ね? だから、その、とにかくズルなしで、最後までしてほしいのよ」
「よくわからないけど、約束する。アルマにとって大切なことなんでしょ?」
「貴方にとっても大切なことよ……」
アルマはそう言うと彼を仰向けに倒し、その上に跨る。
最初の射精から立ち直ったそれは、先ほどから彼女の下肢に淫らな汁をだらだらと塗りたくっていた。汗とは違う不快感に悔し紛れにちょんと亀頭を指で弾くと、リョカは「あう」と呻く。
もう少しいたぶってもよいのだが、自分の中の気持ちが萎えるのも困ると、彼女は中膝になり、彼のそれを自分の割れ目に押し当てる。
「リョカ、ずっと好きだった……」
真剣な、どこか寂しそうな瞳でリョカを見つめたあと、彼女はずぶぶと腰を落とす。