未来-3
「変わったな、お前」
「そう?」
頭を傾げるが、こちらを見て一言告げる。
「そう言う、遥だって変わったわよ」
「そりゃ、お前のお陰だな」
「そうなの?」
「そうだ」
それを聞くとアイツは、顔を赤くしながらにっこりと笑った。
「そうなんだ、嬉しいな」
「じゃあな」
「うん、バイバイ」
それだけを告げて、俺はアイツの病室を後にした。俺は、無言で病院を歩く、歩きながら俺は、アイツの事を考える。
「ねぇ、知ってる」
何処からかそんな声が聞こえた、俺は無視をして帰ろうとするが次の言葉が俺をその場に縛る。
「506号室の患者さん何だけど」
恐らくそれは、看護師達の会話なのだろう小声であるがその声は、充分聞こえた。
(アイツの事か)
506号室の患者は、俺の見舞い相手のアイツの病室。
「担当の先生が言ってたんだけど、その患者さんの治療法無いってよ」
俺は、それを聞いた時に愕然とした。それから看護師達の話は、全く俺の耳に入ること無く俺はその場を去った。それから俺は、自分がどうやって家に帰ったかを覚えていない。部屋に入っても只無気力なまま天井を見詰める。
(アイツの治療法が無い?…………そんな馬鹿な。アイツはそれを知っているのか?)
そんな考えがずっと頭の中をループしていた。寝るまでの間ずっとそればかりを考えていた。寝てからは、寝るまでの時以上に最悪な結果が夢として現れる。
そんな一夜が明け、俺は今まで心の中に秘めていた思いを一大決心した。
それから数日が過ぎた、そんな今日は日曜でこれと言ってすることも無いから、俺は病院に行くことを決めた。
病院に着くと、俺はアイツがいる病室出はなく担当医のいる部屋を訪れた。
部屋の扉を叩くと、間を置かずに中から入室の許可の声が聞こえた。
「失礼します」
俺は、そう言って部屋に入った。
「どうされました?」
担当医は、そう聞いてきたから俺は聞いた。
「506号室の、友人なのですが。昨日看護師さん達が、話していましたがアイツが治ら無いって嘘ですよね?」
俺は、率直に聞いた。担当医は、どう言うべきが悩んでいた。俺は、あの話が嘘であることを望んでいた。
しかし、そう甘くは無かった。
「本当です」
担当医は、そう言った。
「本来、家族以外の方にお話する事は出来ないのですが、彼女の病室に頻繁に来ている貴方なら良いでしょう」
そう言って、担当医は切り出した。