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未来
【理想の恋愛 恋愛小説】

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未来-1

俺は、自分の事を一言で言うならば無である。
無口無表情無愛想。
それが俺、平木 遥(ひらき はるか)である。遥、何て名前であるが男だ。もう一度言っておく、男だ。俺の体格は、痩せている訳でもなく太っている程でもない。中肉中背と言うのだろうか?
平凡な人間である。何処にでもいる人間である。
そう何処にでもいる人間だ。多少無口なタイプ、そう思っていた。
アイツに、会うまでは。
アイツは、俺を見つけると何時も俺の側にいた。何か特別な話をするわけでも無く、ただ今日一日の事をするだけ。それを、俺はただ聞いているだけだった。
そんな、ある日アイツが倒れた。アイツは、病院に運ばれ即入院だったようで今は俺の側にいない。
ここにアイツが、来なくなって5日程してからアイツの友達と言う女子が来た。
その手には、一通の手紙が握られていた。
その手紙を貰い、俺は目を通しアイツが入院している病院を知った。
俺は、その日特にする事も無かったから見舞いに行くことにした。
アイツが入院している病院は、やたらとでかく病室に行くまでに苦労した。
アイツが、いる病室は個室でベッドの周りには、友人が送ったであろう花があった。アイツは、俺を見ると笑顔でこちらを見た。
俺は、軽く挨拶をし手近にあった椅子を手繰り寄せ座る。
俺とアイツは、何を話すわけでも無くただ外を見ていた。
そんな時に、アイツがポツリと言う。

「ねぇ、遥」

アイツが、俺を初めて名前で呼んだ。俺は、呆然と見ていたがアイツはポツリポツリと、話始めた。

「私ね…………」

それは、アイツの病状の話だった。俺は、戸惑いながらも話を聞いていた。

「………何だって」

全てを話終えた、アイツはこちらを伺っていたが、俺はどんな表情をすれば良いのかわからずにいた。

「暗い顔しないでよ」

アイツは、そう言いながらもアイツ自身が不安な顔をしていた。

「………ごめんね、こんな話して」

そう言って、アイツはこの話題は終わりだとでも言うように話題を変えた。それから、空が黒くなるまで話していた。

「もう、暗いから今日はここまでね。明日も来てくれる?」

戸惑いの表情をしながらこちらに問いかけた。俺は、無言で頷いたするとアイツはにっこりと笑った。

「また、明日」

そう言って俺たちはわかれた。それから俺は、自分の時間が空いているときはアイツの所に行った。アイツは、常に暇で行くだけで嬉しそうな顔をする。今では話すのは俺の仕事になっている。アイツは、ただ聞いて笑う。

そんな生活が、一年を迎えようとしている時にアイツの名前が、大学から消えた。俺は、何かの間違いだと思った。聞いて見ると、退学願いは正式に出されているようだ。メールで、アイツに聞くと、簡素な返信が返ってきた。


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