「三角形△ワルツ」-15
「ほら、おねぃさん、口開けて!
凌のセーエキだよぉ〜」
…っん!?
「んっ、あむっ、ちょ、んぅっ!!」
またもや、あたしのくちびるに、出会ったばかりのオンナの下の口が宛てがわれ、とろとろと何かが流れ込んできた。
あ、これ、凌の味…!
…なん、で?
この子…生でシてたって言うの!?
…ずずっ、ずるっ!
「ひあぁん、おねぃさん、舌使い荒ぁい!
そんなに凌のセーエキ飲みたいのぉ?」
…違う。
凌との子供なんて…絶対に作らせないんだから!
許せない…全部、ナカから吸い出してやるっ…!
「あぁん、気持ちぃよぅ、おねぃさん!
またイッちゃうよー!」
泥棒猫は、さっきと同じように、ベッドの柵につかまり、あたしの顔の上で身をくねらせながらイッた。
でも…まだ凌の味が残っている気がして…
「やぁん、おねぃさんたらまたイかす気なのぉ?
休憩しようよぅ、あんっ!」
「珠子さん!
…珠子さん、大丈夫ですよ!
リサコはいつも、ピル飲んでるんですから、中出しできるんです。
子供はできないから、大丈夫ですよ」
…ふぇ?
「あっ、やぁだ、そういうことだったのぉ?
タマゴちゃんたら心配性なんだからぁ!」
な…なんだ、そっかぁ。
良かったぁ…。
「凌ったら、よく分かったねぇ?
あたしはてっきり、おねぃさんががセーエキ飲みたがりなのかと思ったじゃん」
「まぁな、珠子さんならこう考えるかと思って」
…凌…
あたしのこと、思ってたより分かってくれてるんだ…?
どうしよう、あたし、変だ。
怒るべきなのに…。
嫌いになるべきなのに…。
凌が、ほしい。
「凌…お願い、手をはずして?
帰るなんて、もう言わないから…」
「えぇーっ、もったいない!
縛られてるおねぃさん、キレイなのにー!
えぇーと…どこだっけ」
意味不明なリサコは放っといて、あたしは凌だけを見つめる。
「あたしが好きなのは凌だけだよ?
凌が…凌が欲しいの…」
「きゃー、おねぃさんカワイイ!
あ、あった、あった!」