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同想会
【OL/お姉さん 官能小説】

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同想会-1

闇というものを体験したのはたぶんこれが初めてだったかも知れない。
一点の光もなく、自分の手さえも見えない闇の中で私は胸を高鳴らせていた。


同窓会の案内が実家に届いたのは6月最後の週だった。

「あぁ、あれね…
朱美はどうするのよ?」

携帯の向こうで朱美もその事を切り出したが私はまだその時点では決めかねていたのだった。

「水澤たちも茜の話をしたら会いたがってたわよ。」

「水澤!?…って水澤武司の事?」

正直な話。今さら中学校の同級生と顔を合わせても仕方ない事だと思ったけど朱美は今も時々会ったりするらしい。

それは初めて聞いた話だけど、思えば親友とも言える朱美とは中学校からのつきあいだった。

朱美はいい。
三年前に手堅くかたずいて昔の矢崎朱美から今は篠原朱美に変わっているのだから…
同じく二十六歳の私は今でもあの頃と同じ神谷茜のままなのだ。

このあたりは同級生を前にして、大きな違いがあると私は内心思っていた。


… … … …

7月の半ば、生憎の雨に見舞われた同窓会は私の不安もよそに、ごく普通に居酒屋なんかで二時間ばかり昔を懐かしんだ後で十人ほどでカラオケになだれこんで現在と昔が微妙に交錯するひとときを楽しんだ。

カラオケを出る頃には残りの電車も気になる頃となる。

「茜は帰っちゃうの?」

朱美にそう尋ねられた私はむしろ、まだ子供はいないにしろ今は立派な主婦である朱美がまだ遊んでいていいのだろうかと思った。

「それより朱美、大丈夫なの?
電車なくなっちゃうよ。」

「私は…いいんだ。
いつもの事なんだから。」

いつも!?…そりゃズルいわよ。

とはいえ、終電がなくなっても優しいご主人が迎えにきてくれるわけでもない私はひとりで帰るしかない。
朱美を迎えに来てくれるなら私もそれに便乗するという手もあっただろうけど、親密な朱美とは違いご主人の方は結婚式以来会った記憶がないのだった。


私はそこで別れて歩き出すとすぐにまた朱美が追いかけてきた。


「ねぇ、明日休みでしょ?
今夜は付き合ってもいいじゃん。」

「うん、そりゃかまわないんだけど今からまたしんみり飲む気分じゃないし…」

私の中の同窓会はもうここで十分だったのだ。
何度もいうけれど、朱美とはまだ親密に付き合っているけど例えば水澤なんかとは別に交流もなかったわけだし…


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